家の周りや庭で動物のフンを見かけたら、どの動物のものか調べてみましょう。
もしかすると、近所に凶暴なアライグマがいるかもしれません。
かわいらしい仕草をするアライグマですが、実は「緊急対策外来種」に指定された害獣です。
この記事では、「特定外来種」であるアライグマによる生活環境への被害や危険について、アライグマのフンに焦点を当てて詳しく解説します。
アライグマのうんちの特徴は?
アライグマはよくかまずに飲み込むため、フンの中に植物の種子や昆虫の羽、動物の骨などが混ざっています。
食べたものによってフンの形状が変化し、泥状のものから固形のものまでさまざまです。
特に強烈な臭いを発しているのが特徴です。
アライグマの排泄に関する詳細
特徴 | 詳細 |
形状 | 直径は2〜3cm程度、長さは約5〜18cm細長い棒状で、端がとがっていることが多い |
色 | 黒っぽい色から茶色食べたものにより変わる |
内容物 | 主に果物、昆虫、小動物の骨、植物の種子などが含まれることが多い |
臭い | 強烈な臭い |
場所 | ゴミ置き場や庭、家の軒先やベランダなど、比較的目立つ場所にする傾向がある同じ場所に何度もフンをする「ため糞」の習性がある |
季節性 | 特に季節によって大きな違いはないが、冬季には生存のために食料を探し回ることが多くなり、排せつ物が増えることがある |
アライグマの排泄に関する習性
アライグマは同じ場所で排せつする習性があり、この行動はため糞といわれます。
ため糞を放置すると、同じ場所に大量の糞尿が集まってしまい、場所によっては大きな被害になります。
悪臭が発生するだけでなく、ハエなどの害虫を引き寄せる原因にもなるのです。
特に屋根裏の場合、天井にシミをつくり、悪化すると天井の板を腐らせてしまうこともあります。
アライグマの尿の特徴
アライグマの尿は強いアンモニア臭が特徴です。
尿には尿酸が多く含まれており、これが臭いの原因の一つとされていて、人間にはとても不快に感じられます。
木や壁にかけることが多く、黄色いシミが目立ちます。
アライグマのマーキング
アライグマは自分のテリトリーを示すために、マーキングをする習性があります。
他のアライグマや動物に自分の縄張りであることを知らせるため、
1ヵ所にフンをためるのも特徴です。
アライグマのフンの臭い
アライグマのフンは強い臭いとベタベタとしています。
食べたものによってフンの形状や色が変化します。
また、アライグマは食べ物をよくかまないため、フンの中には植物の種子や昆虫の羽、動物の骨などが混ざることがあります。
アライグマのフンをよく見かける場所
アライグマがフンをする場所は、比較的人の目につきやすい目立つ場所です。
特にベランダや庭、道路沿いなどでフンをする傾向があります。
庭で見つけたアライグマのうんちと他動物のフンの見分け方
アライグマのフンと、他の動物のフンを見分ける方法があるのを知っていますか?
ここではアライグマのフンと、ハクビシン、イタチ、タヌキ、猫のフンとの違いを表で比較してみました。
判断する際に活用してください。
ハクビシンのフンとの違いや見分け方
特徴/動物 | アライグマ | ハクビシン |
形状 | 長さは約5〜18cm棒状でやや太め | 細長い棒状をしている |
色 | 黒っぽい色から茶色 | 黒褐色や茶色 |
内容物 | 果物、昆虫、小動物の骨、種子などが含まれることが多い | 果物、野菜、植物の種子などが含まれることが多い |
臭い | 強烈な臭い | 強いが、アライグマほどではない |
場所 | ゴミ置き場や庭、人家の周辺、ベランダ、道路沿い | 樹木の上や、果樹園、人家の周辺 |
季節性 | 季節によって大きな違いはない | 季節により食べるものが変わるため、内容物が違う |
イタチのフンとの違いや見分け方
特徴/動物 | アライグマ | イタチ |
形状 | 長さは約5〜18cm棒状でやや太め | 長さは6mm~1cm水分は多いが硬い |
色 | 黒っぽい色から茶色 | 黒っぽい |
内容物 | 果物、昆虫、小動物の骨、種子などが含まれることが多い | 毛、骨、昆虫の殻、果実の種子などが含まれる |
臭い | 強烈な臭い | 強いが、アライグマほどではない |
場所 | ゴミ置き場や庭、人家の周辺、ベランダ、道路沿い | 川岸や森林、果樹園、人家の周辺 |
季節性 | 季節によって大きな違いはない | 季節により食べる物が変わるため、内容物に違いが出る |
タヌキのフンとの違いや見分け方
特徴/動物 | アライグマ | タヌキ |
形状 | 長さは約5〜18cm棒状でやや太め | 長さは2cm~3cm形はべちゃっとした楕円形 |
色 | 黒っぽい色から茶色 | 黒っぽい |
内容物 | 果物、昆虫、小動物の骨、種子などが含まれることが多い | 果物、昆虫、草の繊維、種子などが含まれることが多い |
臭い | 強烈な臭い | 強い匂い、アライグマほどではない |
場所 | ゴミ置き場や庭、人家の周辺、ベランダ、道路沿い | 山林や畑、果樹園、人家の周辺 |
季節性 | 季節によって大きな違いはない | 季節によって食べるものが変わるため、 内容物に違いが出る |
猫のフンとの違いや見分け方
特徴/動物 | アライグマ | 猫 |
形状 | 長さは約5〜18cm棒状でやや太め | 小さく、比較的硬い球状またはシリンダー状 |
色 | 黒っぽい色から茶色 | 茶色から黒色、健康な猫の場合やや光沢がある |
内容物 | 果物、昆虫、小動物の骨、種子などが含まれることが多い | 主にペットフード、時々骨や毛が含まれる |
臭い | 強烈な臭い | 強いが、アライグマほどではない |
場所 | ゴミ置き場や庭、人家の周辺、ベランダ、道路沿い | トイレ(砂場など)、庭、人家の周辺 |
季節性 | 季節によって大きな違いはない | 季節による変化はあまりない |
アライグマのうんちの危険性と被害
アライグマのフンには、さまざまな病原菌や寄生虫が含まれている可能性があります。
これらの病原菌は人に感染し、重篤な健康被害を引き起こすことがあります。
アライグマのフンを見つけた場合は、すぐに適切な処理をすることが重要です。
- アライグマ回虫
- 失明や脳神経障害を引き起こす可能性がある
- SFTSウイルス
- 風邪に似た症状や神経症状
- 狂犬病ウイルス
- 脳炎症状、錯乱、幻覚、意識不明
- 天井が抜け落ちたり、シミになったりする
- カビが生えて悪臭がする
- フン尿の臭いで住環境が悪化
- 床板や断熱材が腐食する
このように、アライグマのフンには多くの危険が潜んでいるので、処理する際には細心の注意が必要です。
アライグマのフンや尿を処理する方法
アライグマのフンを誤った方法で処理すると感染症のリスクが高まります。
専門の害獣駆除業者にお願いするのが安全な方法ですが「フンを掃除するくらいなら、自分でできる」と考える人もいるでしょう。
そんな人のために、必要な道具や掃除方法、殺菌・消毒の手順を紹介します。
処理する道具を用意する
アライグマのフンを安全に掃除するために、使い捨てできる道具を準備してください。
【必要な道具】(使い捨て)
- 手袋
- マスク
- ゴーグル
- カバーオール
- ほうき
- ちりとり
- ゴミ袋
- 雑巾
- ヘルメット
- 消毒液(次亜塩素酸ナトリウムやエタノール、漂白剤を薄めたものでも代用できます)
※次亜塩素酸ナトリウムを200〜500倍に薄めた液体の使用をお勧めします。
フン尿の掃除方法
手袋、マスク、ゴーグル、カバーオール、ヘルメットを装着する
- 使い捨てのほうきとちりとりでフンを集める
※掃除機を使用しないでください。
排せつ物に含まれる病原体や寄生虫が吸い込まれて、掃除機が汚染されたり部屋中に広がったりする恐れがあります。
集めたフンをゴミ袋に入れて、しっかりと密封する
殺菌・消毒をする方法
- フンがあった場所に次亜塩素酸ナトリウムやエタノールなどの消毒液を吹きかける
※次亜塩素酸ナトリウムを200〜500倍に希釈した液体がお勧めですが、エタノールや薄めた漂白剤も有効です。
雑巾で徹底的に拭き取りる
着ていた服や使用した道具を密閉して廃棄し、身体や髪をしっかり洗う
アライグマにフンや尿をされるのを防ぐための対策
アライグマのフンや尿による被害を防ぐために、以下のことに注意して対策しましょう。
- 食べ物の管理
- 収穫した野菜や果物はすぐに取り入れ、落ちた実もこまめに拾う
- 生ゴミはフタ付きのゴミ箱を使用し、ペットフードは密閉容器に入れる
- 侵入経路の遮断
- 換気扇や床下の通気口などの隙間を細かい金網や補修用パテで塞ぐ
- 特に屋根裏や天井裏の隙間をしっかりと塞ぐ
- 忌避剤の使用
- 木酢液やくん煙剤などの忌避剤を使用して、アライグマが嫌がる環境をつくる
- 庭木や雑草の管理
- 庭木の枝を切り、住宅に接触しないようにする
- 雑草の管理もし、アライグマが住みにくい環境を保つ
「アライグマ うんち」を調べている人がよく思う質問
まとめ:アライグマのうんちは放置せずに適切な処理を!
アライグマのフンを放置すると、家屋への被害を与えるだけでなく、人に感染することで重篤な症状を引き起こす可能性があります。
自分で掃除をする際には、マスクやゴーグルなどを着用し、十分に防護して取り組みましょう。
また、使った道具は密閉して廃棄するなど、適切に処理することが必要です。
少しでも不安がある場合は無理をせず、専門の害獣駆除業者に相談することをお勧めします。
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