「ハクビシンが犬を食べる」という話がありますが、この話が本当のことなのか紹介するほか、ハクビシンが今後来ないようにする対策を含め紹介します。
ハクビシンの噂だけでなく、事実をしっかりと把握することで気を付けるべきポイントが明確になるため、参考にしていただければと思います。
ハクビシンは犬を食べる?
まず、ハクビシンが犬を食べることはありません。
ハクビシンは主に植物を主としているため、犬などの中型サイズの動物を捕食することは無いでしょう。
また、ハクビシンは警戒心が非常に強い動物のため、ハクビシン自身が犬に近づくことは滅多にありません。
ただし、犬に吠えられたり、追いかけられるとハクビシンが強いストレスを受けることで攻撃的になる可能性はあります。
中には気性の荒い個体も存在し、刺激を与える、危険を感じさせる行動をすると反撃に出てくる可能性もあるため、注意が必要になります。
犬(ペット)がハクビシンに攻撃された被害例
ハクビシンに噛まれ、ケガをしたペット(犬)が動物病院に運ばれることは稀にあるようです。
敷地内に侵入してきたハクビシンに噛まれたという被害以外にも、緑の多い公園を散歩していると突然ハクビシンが現れて噛まれたという被害報告もあります。
犬がハクビシンに攻撃された場合の危険性
ペット(犬)がハクビシンに噛まれるなどによるケガを負った場合、様々な感染症のリスクが存在します。
この項では、ハクビシンに噛まれることによる病気や死亡する可能性があることを紹介します。
病気になる可能性
ハクビシンは感染症を引き起こす病原菌を保有している可能性が高く、注意が必要です。
- 狂犬病
- エキノコックス
- ライム病
- タヌキジステンパー
- パルボウイルス感染症
ハクビシンに噛みつかれたり、引っ掻かれたりした場合、病原菌が体内に侵入し感染します。
もしも感染してしまった場合には、発熱や痙攣、下痢、嘔吐などの症状が現れます。
また、特に気を付けたいのは、ハクビシンから感染するヒゼンダニによって引き起こされる「疥癬症(かいせんしょう)」になります。
これはヒゼンダニという寄生虫によって起こる皮膚病の一種で、高い感染力を持ちます。
野生の動物にもこれに感染することで、体毛が抜け落ちてしまい痛々しい姿をした動物を見たことがある方もいるでしょう。
犬が死亡する可能性
ハクビシンが保有する病原菌や寄生虫が原因で死亡する可能性があります。
先に紹介した病原菌に感染することによる重篤化はもちろん、マダニに寄生され噛まれるとSFTS(重症熱性血小板減少症候群)に感染し、死亡する恐れがあります。
このSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は人にも感染する可能性がある感染症のほか、ハクビシンによって犬が感染し、犬を通して人にも感染することもあります。
感染した場合の致死率は10%~30%ほどとかなり高いため、十分注意が必要です。
犬がハクビシンに攻撃された場合の対処法
もしも犬がハクビシンに攻撃され、負傷した場合の対処法は大きく2つになります。
- 早急に動物病院に連れていく
- 傷を直接素手で触らないようにする
ハクビシンに噛まれることで、感染症を発症する可能性があります。
また、ハクビシンからマダニなどの寄生虫をうつされてしまい、疥癬症やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を発症する可能性もあるため、早急に動物病院へ連れて行き治療を受けてください。
また、傷口に素手直接触れてしまうと人にも疥癬症がうつる可能性もあるため、絶対に傷口に素手で触れないようにしてください。
犬がハクビシンに攻撃されないための対策は?
犬がハクビシンに襲われないための対策として3つ挙げられます。
不用意に近づかない
ハクビシンは警戒心が非常に強い動物のため、不用意に近づくことさえしなければハクビシンの方から逃げて行きます。
ただ、犬がハクビシンに興味を持ってしまったことで近づいたことで、身の危険を感じたハクビシンに反撃されてしまうケースがあります。
そのため、散歩中にハクビシンを見かけても決して近寄らず、居なくなるのを待ってから移動するなど、あまり刺激しないようにしましょう。
室内での飼育
可能な限り犬は室内での飼育をおすすめします。
ハクビシンが寄ってくる理由の一つに、犬が食べ残したエサがあります。
これを食べようと近寄ってくることで、犬が吠えたり威嚇し、ハクビシンとのケンカに発展することがあります。
ハクビシンとの無用な接触を避けるためにも、犬は可能な限り室内で飼うことをおすすめします。
エサを放置しない
ハクビシンは嗅覚も鋭く、犬や猫のエサのニオイをすぐに嗅ぎつけます。
エサが残った器をそのまま放置しておくと、そのニオイを嗅ぎつけたハクビシンが近寄ってくることもあり、犬に吠えられたり威嚇されたりすることで、身の危険を感じたハクビシンとケンカに発展します。
そのため、エサの入った器は絶対にそのまま放置しないでください。
ハクビシンの鳴き声とは?
「キューキュー」という可愛い声で鳴きます。
小さな子犬が頑張って吠えている感じにも聞こえるかもしれません。
ただし、ハクビシンは「夜行性」です。
夜の寝静まった時間帯に屋根裏などでずっと鳴かれ続けると、騒音被害により不眠症になることもあります。
ハクビシンが家に来ないようにするには?
ハクビシンが近寄らないための対策を紹介します。
ハクビシンによる被害で困っている方は参考にしてみてください。
ハクビシンの弱点を活かして対策
ハクビシンは強いニオイ(ニンニク・唐辛子など)を嫌い、木酢液(もくさくえき)や灯油のニオイも嫌います。
また、ハクビシンの天敵でもあるオオカミの尿(ウルフピー)も効果的で、ホームセンターでも購入可能です。
これら、ニオイが強いものをハクビシンが出入りしそうな場所に設置しておくと、ハクビシンは簡単に寄り付くことはできません。
ただし、ニンニクは害虫が寄ってきやすくなる、灯油はペットの動物も苦手とするニオイなどデメリットとなる点もあるため、使用時には注意が必要です。
ハクビシンの侵入経路をふさぐ対策
ハクビシンは小さな隙間(8㎝~10㎝程度)があれば簡単に侵入することが可能です。
また、ハクビシンはエサと安全だと確認できる場所であれば、どこにでも住み着くことが可能なため十分注意して侵入経路を探す必要があります。
隙間を塞ぐための道具は、金網やパンチングメタル、コーキングやパテといったホームセンターなどで簡単に揃えることができます。
ハクビシンの専門業者に依頼
ハクビシンが原因で起こっている被害、ハクビシンが住み着いてしまっていると感じた場合、専門業者に依頼することをおすすめします。
今は現地調査などを無料で行っている業者も多いため、「少し違和感がある」くらいの時でも気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
犬の毛はハクビシン対策になる?
犬の毛はハクビシンへの忌避効果があります。
出典:ブドウ栽培園におけるイヌの被毛設置によるハクビシン食害防止
ハクビシンは嗅覚が鋭いため犬の毛のニオイは「天敵のいる危険な場所」となり、近寄ってこなくなります。
犬の毛もトリミングサロンなどで簡単に手に入るため、犬を飼っていない方でもすぐに手にいれることが可能です。
ただし、すぐにニオイが薄れてしまうため定期的に交換しないと効果が無くなってしまうので注意が必要です。
ハクビシンは殺してはいけない?
ハクビシンは害獣に指定されていますが「鳥獣保護管理法」という法律に守られた動物です。
もしも、違反すれば「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に科せられることになります。
ハクビシン対策をするときの注意点
ハクビシンに対する対策を行う際に注意したいのは、ハクビシンが子育て中なのかという点です。
もしも子育て中に燻煙剤などを使用し追い出そうとした場合、子供を隙間へ押し込んだり、壁と壁の間の隙間に落としたりなど、どうにかして逃がそうとするなど、予想ができない行動をおこすほか、気性が荒くなっていることもあり、思わぬケガを負う可能性もあります。
また、子供を逃がすために壁と壁の間に落とされた子供は衰弱してしまい、そのまま死んでしまうこともあります。
その死骸が腐敗することで、害虫が寄ってくるなど二次被害が起こる可能性も高いため、子育て中なのか確認が必要になります。
「ハクビシン 犬 食べる」を調べている人がよく思う質問
まとめ:ペットの犬が被害にあわないように対策を!
この記事では、ハクビシンは犬を食べるのか、来ないようにする方法のほか、鳴き声や弱点を活かした対処法を紹介しました。
犬が被害に遭わないために一番大事なことは、無暗に近づかないことです。
もし、散歩中に遭遇してしまうことがあれば、ハクビシンが居なくなるまでじっとしているか、居ない方向へ向かうなどをすれば襲われることもないでしょう。
もしも家にハクビシンが来ることがあれば、家に住処を作っている可能性がかなり高いため、専門の業者に相談することをおすすめします。
コメント