ネズミは人が住む家に侵入しようと虎視眈々と狙っています。
人が住む家はエサとなる食料が豊富で、暖かく、巣の材料にも事欠かない、ネズミにとって楽園のような場所です。
一戸建ての家だけでなく、マンションも例外ではありません。
また、家庭菜園やプランターを使ってベランダで育てていた植物がネズミなどに荒らされてしまった経験を持つ方もいるかもしれません。
この記事では、ネズミがベランダなどに出没する際の対策方法や、マンションにも出現するのか、そしておすすめする忌避剤なども紹介します。
ネズミがベランダに出没する際の対策は?
ベランダや家庭菜園を行っている場所によく侵入してこようとするのは「クマネズミ」という種で家ネズミの一種です。
クマネズミは穀物や果物を好み、茎や葉を食べて水分の補給を行っています。
この項では、そんなネズミがベランダに出没したときの対策方法などを紹介します。
ガーデニングの肥料などをしっかり管理する
ガーデニングなどで使用される肥料(油粕や魚粉など)は、ネズミのエサとなる可能性が高いでしょう。
そのため、使用後は確実に口を縛り、プラスチックなどの硬い容器に保管しておくと被害を防ぐことができます。
袋のまま放置しておくと、ネズミは袋を齧って穴を空けてしまい、中の肥料を食べる可能性があります。
また、フン尿を肥料や土にされてしまった場合、感染症の原因となる病原菌(レプトスピラ菌)に感染する恐れがあるため、肥料や土の保管方法には十分注意してください。
クマネズミが保有する病原菌の一種で、致死率は20%~30%にもなります。
症状は発熱から始まり頭痛、悪寒、腹痛といった風邪にも似た症状です。
ネズミの尿が染み込んだ土や水に潜み、人の皮膚や粘膜から体内に侵入し感染します。
忌避剤を使用する
自身で行える対策の中で最も手軽な方法の一つです。
ネズミ用の忌避剤は、ホームセンターやドラッグストアにて購入することができます。
また、忌避剤にもスプレータイプ、燻煙タイプ、設置タイプなど様々な種類が用意されています。
- スプレータイプ
ネズミが嫌いなニオイ成分が入った忌避剤となり、ネズミが通りそうな場所に噴霧しておくとネズミが近づけなくなるなどの効果が期待できます。
ただし、時間が経つとニオイが霧散してしまい、効果が薄くなるので定期的に噴霧しましょう。 - 燻煙タイプ
ベランダなどの外での使用はあまりおすすめできず、屋根裏や床下といった場所にネズミが侵入した際に使用する忌避剤とな、スプレータイプや設置タイプでは届かない場所にいるネズミを追い出すと際に役に立ちます。
部屋中に忌避剤の煙(薬剤)が充満することになるため、電子機器や食器、食材、衣服、ペット用品などには煙が当たらないように対策を行う必要があるなど、手間がかかります。 - 設置タイプ
ネズミが嫌うニオイ成分を染み込ませたゲル状の忌避剤となり、ネズミの通り道に設置することでネズミが近づけなくなる効果が期待できます。
こちらも、時間が経つとニオイ成分が揮発し薄まってしまうため、定期的に新しいものと交換する必要があります。
それぞれのタイプのものにも共通して言えることですが、ネズミが嫌いだとされるニオイに慣れてしまう個体も存在します。
その場合は忌避剤での対策は効果が薄くなるので、毒餌や粘着シートなどの罠を設置することをおすすめします。
侵入経路を封鎖する
ネズミがベランダに侵入してくる経路として、排水溝が最も多い侵入経路とされています。
「こんな狭い場所から?」と蓋が付いているのにと思っている方も居るかもしれませんが、ネズミは1.5㎝程度の隙間があれば侵入することが可能です。
そのため、排水溝の蓋を目の細かいものと交換しておくなどの対策をしておくと、ネズミが侵入してくる可能性を低くすることができます。
専門業者に依頼する
ネズミ対策を行う上で、不意に起こるケガや感染症にかかるリスクを下げ、確実なネズミ対策を行うなら害獣駆除の専門業者へ相談することになります。
長い年月で培われた知識と経験、豊富な道具を駆使することでネズミを含む様々な害獣駆除を行うことができます。
今では、問い合わせ~見積りまでを無料で行ってくれるところも多いので、気になる方は一度相談してみることをおすすめします。
ベランダ菜園を荒らすネズミの対策は?
ベランダに侵入してくるネズミへの対策として、侵入経路を塞ぐことが重要です。
ネズミは帰巣本能が強い動物で、一度侵入した場所には何度でも侵入しようとします。
そのため、ラットサインを見つけ、どこを通りベランダへ来ているのかを把握し、忌避剤や毒餌、粘着シートといった罠を設置するとネズミは簡単に近づけなくなります。
注意したいのは、忌避剤や罠は時間が経つと劣化し、効果が薄くなってくるため定期的に交換する必要があります。
また、ネズミが来なくなったからと言って忌避剤や罠を撤去してしまうとすぐにネズミを見かけることになる可能性が高いため、数ヶ月は交換しながら様子を伺いましょう。
マンションにもネズミは出没する?
ネズミにとってエサと巣材が確保でき、快適に暮らせると思った場所には、どんなところでも侵入してくる可能性があります。
この項では、マンションなどの高い場所でもネズミが出没するのか、出没した際の対処法などを紹介します。
マンションの1階以外にもねずみは出没する?
マンションの1階~3階は地面部分からそれほど離れていないため、ネズミや虫が侵入し易い環境だというのはご存知でしょう。
しかし、4階以上となると油断する方も増えてくると思いますが、それ以上の階層であってもネズミは出没します。
マンションでも、排水管や通気口、壁の隙間などがどこかに存在し、ネズミはそこから侵入してきます。
中でもイエネズミに分類される「クマネズミ」は高い場所へよじ登ることを得意とし、狭い場所を好みます。
マンションなどの高層階でも見かけるネズミはほとんどがこのクマネズミの可能性が高いでしょう。
- ドブネズミ
イエネズミの中では最も大きいネズミで、大きな体に短い尻尾が特徴です。
生息場所として地下や地上になり、泳ぐこともできます。
湿気の多い場所を好みますが、よじ登ることはあまりしないため、高所で見かけることはありません。 - クマネズミ
胴体よりも尻尾が長く、家ネズミの中で運動力が最も高いネズミです。
垂直に設置された配管をよじ登ったり、配線の上を移動することも可能なためか、侵入経路の特定が難しいとされています。
マンションなどの高所で見かけるネズミのほとんどがこのネズミになります。 - ハツカネズミ
イエネズミの中で最も小さいのが特徴のネズミです。
その体の小ささからか、倉庫や物置に隠れて荷物などと一緒に街に来ることもあります。
体が小さいためか寒さに弱く、冬になると家の中へ侵入してくることがあります。
マンションのベランダにもネズミは出没する?
高所であるマンションのベランダにもネズミは出没することがあります。
主な侵入経路としては、排水管や通気口、壁と壁の間などをよじ登ってくることが知られています。
高所で見かけるネズミは「クマネズミ」の可能性が高く、イエネズミの中で最も運動能力が高いネズミです。
マンションでねずみが出た場合は管理会社に報告する?
もし、マンション内でネズミが出た場合は管理会社へ報告してください。
民法第400条により「借主は貸主に建物の異常を報告する義務がある」とされています。
仮に、報告が遅れたりその義務を怠り、ネズミによる被害が拡大することで建物が損傷した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。
トラブルを避けるためにも、ネズミを見たなどの異常があればすぐに管理会社へ報告するようにしてください。
マンションのベランダでねずみのふんを発見した場合の対処法は?
ネズミによるフンを発見した場合、まずは早急な掃除と消毒を行いましょう。
使い捨てのゴム手袋とマスク、箒とチリトリ、フンを入れるための燃えるゴミ袋、除菌スプレーまたはアルコール消毒(70度以上)を準備してください。
ネズミのフン尿には感染症の原因となる病原菌が含まれている可能性が高いため、しっかりと殺菌することが重要になります。
掃除と除菌が終わったら、マンションの管理会社へネズミが出たことを報告してください。
この報告を怠ることで、後々にネズミによる被害が拡大してしまい建物が損傷した場合に、損害賠償を請求されることもあり、不要なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ネズミによるマンションの被害例
マンションなどの集合住宅でおこるネズミによる被害は大きく3つあります。
・費用問題
「ネズミの駆除費用は誰が負担するのか?」
何と言っても金銭的なことは一番気になる所ではないでしょうか。
管理費という名目で毎月支払っているから、そこから出ると考えている方もいるかもしれません。
しかし、この管理費というのはマンションの維持費として使用する費用としているため、害獣駆除の費用には対応していないところも多いところもあります。
そのため、住人の不注意(窓や扉を開けっぱなしにするなど)によるネズミの侵入となった場合は、住人が支払うこととなります。
ただし、建物の経年劣化によってできてしまった隙間からネズミが侵入するなど、建物に原因があるとなった場合は管理費の対象となるとされています。
一度、マンションなどに住む際に交わした契約書にて、費用負担に関しての取り決めがされていないか確認してみてください。
・健康面による被害
ネズミは体にも体内にも様々な寄生虫や病原菌を保菌しています。
特にネズミの排泄物にはレプトスピラ菌、サルモネラ菌、ハンタウイルスなどといった病原菌が潜んでおり、抵抗力の低いお年寄りや子供が感染すると命に関わる可能性があります。
また、ネズミが噛みついて起こる鼠咬症やそれに合わせて起こるアナフィラキシーショックもあり、寝たきりの方やまだ自分で身動きが取れない赤ちゃんによる被害例が報告されています。
他にも、ダニやノミに噛まれることで起こる感染症や皮膚炎なども起こるため、ネズミによる健康被害は決して小さく見積もってはいけません。
・精神面による被害
マンションなどの高階層でも現れるのはクマネズミという種類がほとんどで、このネズミは夜行性です。
そのため、夜の寝静まった時間帯が最も活発に活動する時間でもあります。
壁の中、天井、床下と一晩中何かの音に悩まされることになり、不眠症やストレスによる拒食症や過食症、ノイローゼを引き起こす可能性もあります。
ネズミがいるか確かめる方法は?
ネズミが居るのかを確認する方法は4つあります。
・ラットサインはあるか
ラットサインとは、ネズミの体についた汚れが壁などに付着した跡になります。
ネズミは壁に沿って移動する習性があるため、よく通る道には必ずラットサインが見られるため、ネズミが居るのか確認することができます。
・夜中になると物音がするか
マンションに侵入してくるのは高所の得意なクマネズミによることが多くなります。
クマネズミは夜行性のため、寝静まった時間になると活発に活動を始めます。
それにより、壁の中、天井、床下と言った場所から物音がします。
・家具や配線などに齧られた跡は無いか
ネズミは何でも齧る習性があります。
そのため、家具や配線、ダンボールなど何でも齧ってしまい、穴を空けてしまったり巣材に利用したりします。
また、火事などの原因にもなるため、配線系統を齧られた跡を見つけた際は注意が必要です。
・フンが落ちていないか
ネズミは移動しながらフンをする特徴があります。
そのため、ネズミが通った場所には必ずフンが落ちていますが、バラバラに散らばっていることが多いです。
また、ネズミのフンにはたくさんの病原菌が潜んでいる可能性が高いため絶対に素手で触らず、使い捨ての箒やチリトリ、手袋、マスク、除菌スプレーを準備し清掃と殺菌を行ってください。
ベランダのネズミにおすすめの忌避剤
ベランダに出没するネズミに使える忌避剤を紹介します。
・スプレータイプ
スプレータイプはネズミが嫌いなニオイ成分(ハッカやカプサイシンなど)を使用しているため、ネズミが通路として使用していそうな場所にスプレーしておけば、その通路を通ることを避けるようになります。
また、ニオイに敏感な動物なので嫌なニオイがしている間は近寄ることも少なくなります。
ただし、ニオイ成分はすぐに薄まってしまいやすいので、定期的に噴射しニオイが残るように維持しましょう。
・設置タイプ
こちらもスプレータイプと使い方は同じで、ネズミが通り道として使用している場所に置いておくだけで効果があります。
ただし、こちらもニオイ成分が薄くなってしまうこともあるので、定期的に新しいものと交換することで効果を長く持続させることができます。
・ハッカ油
ハッカ油を使った簡易の忌避剤です。
スプレーボトルを準備し、そこにハッカ油と水を混ぜることで簡単にハッカスプレーが出来上がります。
ネズミはハッカのニオイが嫌いなので、ネズミの通り道にスプレーしておけば近寄ってくることが減ってくるでしょう。
ただし、使用するにあたり注意点があり、ハッカの成分は体温を下げる効果があります。
妊婦の方やお年寄りの方、赤ちゃんが近くに居る場合は人体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、使用は控えてください。
また、ペットを飼っている方もハッカのニオイはペットにも多大なストレスを与える可能性もあるので、使用する際は注意してください。
「ネズミ ベランダ 対策」を調べている人がよく思う質問
まとめ:ネズミを見かけたらすぐに対応を!
この記事では、ネズミがベランダに出没する際の対策のほか、マンションにも出現するのか、おすすめの忌避剤を紹介しました。
マンションの高層階に住んでいるからと言っても、決して油断できないのがネズミで、より快適な環境を求めどんなところでも侵入してきます。
また、1.5㎝~2.5㎝程度の隙間があれば簡単に侵入できるため、気が付けばネズミの巣窟になってしまっている可能性もあります。
一戸建てでもマンションでも、常に周辺を綺麗にしておき、隙間などがあれば管理会社に報告し、修繕してもらいましょう。
築年数がある程度経っていればどうしても亀裂や隙間はできてしまいますが、長く快適に住み続けるならば他の住人の方と協力し、ネズミが寄り付けない環境を作りましょう。
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