アライグマというと、アニメや動物園にいる姿から、可愛らしい生きものというイメージを持っている人も多いかもしれません。
日本にはもともといなかった動物ですが、野生化したアライグマの生息数は増えていて、農作物被害や家屋被害が問題になるほど、意外と身近にいる動物になっています。
では、アライグマを見かけたときはどのように対処すべきなのでしょうか?
警察?市役所?そもそもどこかに連絡する必要があるの?とわからないことだらけですよね。
そこで、今回は、アライグマを見つけてしまった時の連絡先や対応方法について詳しく解説します。
アライグマを見つけたら警察?市役所?どこに連絡したらいい?
アライグマを見つけたら警察へ
ニホンザルやシカなどの野生動物が市街地に出てきた時に、車の交通誘導や通行人への安全を守るために警察が出動しているニュースなどみたことがあると思います。
人への危険が及びそうな場面では、人の安全を守るために警察が対応する場合があります。
ですが、基本的にアライグマは野生動物で、野外に野生動物がいるからといっても、警察は基本的に何もできないことは理解しておきましょう。
アライグマを見つけたら市役所への連絡もOK
お住まいの市町村によっては、アライグマの生息数を調査したり、積極的に捕獲駆除を行っていることがあります。
見つけたからといってすぐにそのアライグマを駆除しますという対応をとる自治体はほとんどないですが、目撃情報は蓄積され、被害を防止するための計画に反映されるなど活用されます。
また、そういった機会を利用して、自分の住んでいる自治体に対処方法があるのかないのか、事前に調べておくことで、とっさの時に対応することが可能となります。
アライグマの被害がある場合はどこへ連絡するべき?
家や畑など私有地への被害の対応は、その所有者が行うことが基本です。
ですが、アライグマは特定外来生物に指定されていて、日本にもともといた動植物などの生態系への悪影響が心配されています。
また、近年は農作物被害や家屋侵入など私たち人の生活環境への被害も深刻になっています。
そのため、場合によっては、自治体が積極的な捕獲駆除を推進していることもあります。
有害鳥獣を捕獲するために必要な捕獲許可も各自治体が行っているので、どのような対応方法があるのか、まずは相談することをおすすめします。
アライグマは特定外来生物のため捕獲が必要
アライグマは外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止法)によって、特定外来生物に指定されているため、各地方自治体によって作成された防除実施計画に基づく捕獲・駆除が推進される野生動物です。
そして、防除実施計画がある場合に捕獲を行う際は、従事者登録が必要になります。
特定外来生物は、基本的に、飼育することも、生きたまま移動することも、野外へ放出することも禁止されているため、捕獲した場合にはその場で殺処分することが基本になります。
アライグマの防除実施計画が無い場合に捕獲する際にも、有害鳥獣の捕獲許可が必要であることも理解しておきましょう。
アライグマ駆除は市役所相談?専門業者は?
まずはお住まいの市区町村がアライグマ対策を何か行っているか、問い合わせてみるのがよいでしょう。
捕獲処分まで全て行っていたり、捕獲檻の貸出だけ行っていたり、捕まえアライグマの回収だけ実施していたりと自治体によって対応内容は様々です。
でもお住まいの自治体で対策を行っていない場合には、結局専門業者を案内されるだけだったりすることもあります。
アライグマだと思って自治体に対応してもらっても、その動物がネズミや他の動物だった場合には、対象外となって、自治体の補助の対象ではなくなることもあります。
そのような場合には、手間と時間だけがかかってしまうことになります。
各地域の専門業者は、アライグマの駆除についての手続きなどにも精通しています。
また、捕獲した動物がアライグマではなかった時にも柔軟に対応できるでしょうし、家屋被害に対する清掃や侵入口の封鎖などの対応もまとめて行ってもらえるなど、スムーズに対策してもらうことが可能です。
ただし、費用はそれなりに発生するので、作業ごとの見積もりを複数の業者から取るなどして、安心して依頼するようにした方が良いでしょう。
アライグマを見つけたらどうする?やってはいけないこととは?
アライグマに近づかない
可愛らしい仕草が印象的なアライグマですが、手先も器用で腕の力も強く、性格は凶暴な一面を持ち合わせています。
むやみに近寄ったり、刺激したりしないようにして、その場からいなくなるのをそっと待ちましょう。
アライグマのフンなどに触らない
庭などで糞を見つけた場合にも、誤って口などから病原体を摂取することが無いように、手袋やマスクを使用し、ビニール袋などで密封して、ゴミとして処分するようにしましょう。
アライグマ特有のものとして、動物園のアライグマの糞からはアライグマ回虫という寄生虫の卵が見つかっています。
アライグマ本来の生息地である北米では、アライグマ回虫による脳障害などを引き起こす幼虫移行症が報告されているため、野外のアライグマの糞を取り扱う際には、注意するようにしましょう。
アライグマへ餌を与えない
アライグマは本来野生動物なので、人の気配などがすれば怖がって逃げていくのが普通です。
でも、人馴れしたアライグマは、人を怖がらなくなり、人との距離感が近くなり、人に危害を加える原因になってしまうかもしれません。
また、餌場として認識してしまうと、複数頭の群れで現れるようになったりもします。
そうして、人と野生動物の接触する機会が増せば増すだけ、人が怪我をしたり、人と動物に共通する病気が発生したりするリスクも高くなってしまいます。
隣近所への迷惑にもなるため、餌付け等は行わないことが大切です。
自分たちで捕獲や駆除をしない
アライグマは特定外来生物にも指定されているため、その取扱には更に注意が必要です。
自分たちで捕獲する場合には、申請を行い捕獲の許可をとる必要があり、捕獲したアライグマは安楽殺することが義務付けられています。
また、捕獲された動物は凶暴になっているので、作業そのものに危険も伴います。
捕獲処分には、捕獲の申請や専門知識が必要となってくるため、無理をせず、自治体や専門業者に依頼するようにした方が良いでしょう。
ただし、ペットフードや果樹など餌となるものを家周りから無くしたり、家屋などへの侵入経路を塞いだりすることで、自分の敷地に来なくなるように対策することは可能です。
敷地内から駆除できるように、環境を整えたり忌避対策を行ったりすることは、再侵入を予防する上でも重要な対策です。
すみやかに行政機関または警察へ連絡
まずはお住まいの市区町村に状況など相談して、どのように対処すべきか教えてもらうようにしましょう。
人への危害があるなど緊急性の高い場合には、警察に緊急対応をお願いするようにします。
「アライグマ 見つけたら 警察」を調べている人がよく思う質問
まとめ
アライグマは、賢く、手先も起用で、凶暴な一面ももっている取り扱いの難しい動物です。
自分の家周りなどで見かけたら驚いてしまうかもしれませんが、アライグマを直接刺激しないようにして冷静に対処することが大切です。
また、特定外来生物にも指定されている動物なので、法律で厳しく規制されていることにも注意が必要です。
家にすみつかれて困っている、近所でよくみかけるようになって心配になっているなどの場合には、どのような対策が可能なのか、お住まい市区町村や専門業者に相談するようにしましょう。
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