天井裏から物音や鳴き声のようなものが聞こえていたり、天井にシミのようなものができているのを発見した場合、ハクビシンが原因によるものかもしれません。
この記事では、ハクビシンが天井裏に住み着いてしまった際に天井にどのような被害が出てしまうのか、ハクビシン以外の原因でできる天井のシミ、天井のシミの取り方などを紹介しています。
天井に見慣れないシミのようなものを発見した際の参考にしてみてください。
ハクビシンが原因で天井にシミができる?
天井に原因のわからないシミとニオイがする場合、それはハクビシンが原因かもしれません。
ハクビシンは同じ場所でふん尿をする「溜めフン」と呼ばれる習性があり、これを天井裏でされてしまうことで天井にシミができ、さらにふん尿による強烈なニオイがするようになります。
ハクビシンの尿の臭いや色の特徴は?
ハクビシンの尿はツンと鼻にくる、アンモニア臭に似たかなり強烈なニオイです。
さらに、1回の尿でコップ1杯ほどの量をするため、天井裏でこれだけの量をされてしまうと天井にシミができてしまってもおかしくありません。
また、ハクビシンにはフンと尿を同じ場所で行う「溜めフン」という習性があるため、放置してしまうと最悪の場合天井が腐って落ちてくる可能性もあります。
天井のシミはハクビシンが原因ではない場合もある?
天井にできたシミの原因はハクビシン以外の可能性も考えられます。
この項では、ハクビシン以外の天井のシミの原因を紹介します。
天井のシミが茶色の場合
天井に円形や楕円形の茶色い(黒い)シミが出来た場合、雨漏りや結露によってできた水滴が原因かもしれません。
この場合、雨の日や湿度の高い日は水滴が落ちる音が聞こえることもあります。
また、雨漏りや結露によってできたシミにはニオイはありません。
天井のシミが斑点であらわれる場合
天井に不規則な形のシミが出来た場合、水道管や給湯器の配管からの水漏れを起こしている可能性があります。
給湯器の配管からの水漏れの場合、不凍液が混ざっていることもありシミの色が青色や緑色をしていることもあります。
水の流れる音のほか、ポタポタと水滴が落ちる音が聞こえることもあります。
天井のシミの原因がネズミの場合
ネズミが原因による天井のシミの場合、天気に関係なく発生しネズミの通り道または巣に近い場所にシミができやすいのが特徴です。
形状として比較的小さい点状や筋状、色は濃い茶色や黒をしており、シミからは独特の悪臭がします。
それ以外に原因がある場合
天井にシミを作る原因はハクビシンやネズミだけではなく、アライグマやコウモリなどの他の害獣が侵入している可能性もあります。
ほかに、エアコンのドレンと呼ばれる排水管の詰まりによる水漏れを起こしている可能性もあるため、2階の部屋にエアコンを設置されている方は一度確認してみてください。
また、ラミネート天井の接着剤が原因で、シミのように見えることがあります。
ラミネート天井とは、天井に使われている合板に対し、紙を使用した化粧板に木目をプリントしたものを貼り付けたものです。
コスト削減に大きな効果があり、和室の天井に使用されることもあります。
ただ、使用されている接着剤が劣化してしまうとプリント面が浮いてしまうため、直線状のシミのようなものができあがってしまいます。
雨漏りや水漏れではありませんが、天井の異常という点では同じなので専門業者へ一度、相談することをおすすめします。
一階の天井のシミは何が原因?
一階部分の天井のシミは水漏れの可能性があります。
特に、二階に水回り設備(キッチン、トイレ、洗面台など)がある家は蛇口やパッキン、給水管の劣化による水漏れが無いか、一度確認することをおすすめします。
また、二階にエアコンを設置している場合、ドレンと呼ばれる排水管の詰まりが原因で水漏れを起こす可能性もあるため、一度確認をしてみてください。
ハクビシンが天井にいるかどうか確認する方法は?
天井にハクビシンがいるのか確認する方法を紹介します。
・天井からの物音
ハクビシンは夜行性のため、夜中になると「ドタドタ」といった足音や、「キューキュー」といった鳴き声が聞こえる可能性があります。
天井から聞きなれない物音がした場合は放置せず、すぐに対策を講じてください。
昼間は大人しく眠っている可能性があるので、夜の静かな時間帯に耳を澄ませると、もしハクビシンやそのほかの害獣がいる場合はすぐに気づくことができるかもしれません。
・異臭などのニオイ
動物のニオイ、特に野生の動物のニオイはかなり強く、ふん尿のニオイはさらに強烈な異臭がします。
もし、天井からニオイがしてくる場合、ハクビシンかそのほかの害獣が住み着いている可能性があります。
・天井のシミ
ハクビシンは同じ場所にふん尿をする習性「溜めフン」があり、一回の尿はコップ一杯分に相当する量をします。
そのため、同じ場所でふん尿をされ続けていると天井にシミができてしまうこともあります。
シミが酷くなってくると天井部分が腐ってしまい、最悪の場合は天井が落ちてしまうという事態にもなりかねません。
・家のどこかに噛み跡があるか
天井裏に住処を作るために、断熱材などを噛み千切ったりすることがあります。
しかし天井裏には電気ケーブルなどの配線類が多く敷かれているため、もし断熱材などと一緒に噛み千切られてしまうと漏電し、最悪の場合は火災が発生する可能性もあります。
・動物の毛や足跡、フンがあるか
家の中にペット以外の動物の毛や足跡を見つけた場合、家に住み着いている可能性が高いです。
ハクビシンは夜行性のため、昼間は見つけることが難しいかもしれませんが、夜になると動き回るためすぐにわかります。
・家屋に隙間があるか
ハクビシンは運動能力がかなり高い動物なので、高い位置の隙間でも簡単に侵入してしまいます。
家屋の周りをよく観察し、隙間が無いかよく確認することをおすすめします。
ハクビシンが天井にいた場合の被害例
ハクビシンが天井裏に住み着いてしまっている場合、絶対に放置してはいけません。
この項では、ハクビシンが天井裏に住み着いてしまった場合にどんな問題が出るのか紹介します。
天井が損傷してしまう
ハクビシンは同じ場所にふん尿をする習性(溜めフン)を持っており、また一度の尿でコップ一杯相当の尿をします。
これにより天井にシミができてしまい最悪の場合、天井が腐って落ちてきてしまう可能性もあります。
悪臭や騒音の問題が発生する
ハクビシンは夜行性のため、夜中にドタドタと走り回ったり、鳴き声が聞こえるなどの騒音による睡眠妨害に遭う可能性があります。
また、溜めフンによる悪臭は天井裏に充満しその後、各部屋へとニオイが下りてきて家中に悪臭が漂う事態になりかねません。
火災や感電の危険がある
天井裏には電気ケーブルなどの配線類が多く敷かれている為、齧られるなどの被害に遭うと漏電を起こし、最悪の場合火災が発生する可能性もあります。
伝染病や寄生虫・衛生面の問題が出てくる
ハクビシンには狂犬病やエキノコックスなど特効薬が未だ存在しない病原菌を媒介しており、ノミやダニといった寄生虫も媒介しているため感染すると重篤な症状または死亡することもあります。
また、ふん尿や死骸には悪臭やカビ、害虫が発生することで衛生面にも多大な被害が発生する可能性があります。
天井にハクビシンがいる場合の対処法は?
市販の燻煙剤や忌避剤が効果的なので活用するのと同時に、ハクビシンが天井裏に侵入したであろう侵入経路を特定することが大事になります。
侵入経路や侵入口が特定できたら、侵入口から少し離れた位置で燻煙剤を使用します。
これは、燻煙剤による薬剤を嫌がったハクビシンがそのまま侵入口を通って逃げ出せるようにするためです。
もし、侵入口を塞ぐ形で使用してしまうと、逃げ場を失ったハクビシンが奥へ奥へと入ってしまい追い出しに失敗するばかりか、子供を逃がすために壁と壁の間に投げ入れてしまうことで、弱ってしまった子供がそのまま死んでしまう事態になり、別の問題が発生することになりかねません。
ハクビシンを追い出すことに成功したら、侵入口をパンチングメタルなどで塞ぐ対策も行うようにしましょう。
天井のシミを消す方法は?
軽度の雨漏りによる天井のシミは、漂白剤を使用することで消すことが可能です。
市販の漂白剤を10%~50%に薄めたものをスプレー容器に入れ、シミに直接拭きかけ、しばらく放置した後、水で拭き取ります。
効果はすぐに出ないこともあり、1日~2日は続け様子を見てください。
ハクビシンなどの害獣が原因のシミの場合は、ふん尿などを取り除かないと意味が無いため、その場合は駆除専門業者へ相談することをおすすめします。
ハクビシンの駆除や天井の清掃・修繕は自分でできる?
ハクビシンの駆除、天井の清掃や修繕に関して自分で行うことは可能です。
可能ではありますが思わぬケガや事故のほか感染症に罹るリスクの方が大きいため、あまりおすすめはできません。
それでも自分で駆除や清掃、修繕を行いたいという方は以下の方法を参考にしてみてください。
ハクビシンの駆除
まず、ここで使う「駆除」とは天井からハクビシンを追い出すこと、再度侵入されない対策を指します。
ハクビシンは鳥獣保護管理法という法律で守られた動物のため、許可なく捕獲または殺傷することは禁じられており、これに違反した場合「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処される可能性があります。
ハクビシンを捕獲する場合には、最寄りの市役所などで「有害鳥獣捕獲」の許可をもらうための手続きを行う必要があります。
手続き後、捕獲理由や場所や数といった細かな内容の審査を行い、許可証が発行され、その後に結果報告も行わなければいけません。
その一方で、市販されている燻煙剤や忌避剤を用いるのが最も手軽な方法です。
侵入口となる隙間を見つけたら、侵入口から遠い場所に燻煙剤を設置し、あとはハクビシンが逃げ出すのを待つだけです。
逃げ出した後は隙間をパンチングメタルなどを使って埋め、忌避剤やニオイが強いもの(ハッカやニンニク、唐辛子など)を設置することで再度侵入しようと訪れても諦めるように対策を行うことが必須です。
この時注意したいのは、燻煙剤や忌避剤を侵入口の近い場所に設置してしまうと、ハクビシンが逃げ場を失い更に奥へ奥へと逃げ込んでしまい、追い出すことに失敗する可能性が高くなってしまいます。
この時、ハクビシンの子供がいた場合、子供を壁と壁の隙間に逃がす(落とす)ことがあり、子供はそのまま弱ってしまい死んでしまうこともあります。
死んでしまった子供は腐敗してしまい、害虫や悪臭など別の被害が発生することにもつながるので注意してください。
また、再度侵入されないように隙間を埋める対策を行う際には高所での作業が多くなり、転落するなどの事故が起こる可能性が高くなるため、十分な注意を払い作業を行ってください。
天井の清掃
天井の清掃の場合には必ず、使い捨ての手袋、マスク、ゴーグル、長袖と長ズボンを装着してください。
これは、ハクビシンのフン尿には重篤な症状をもたらす病原菌が潜んでいる可能性があるためで、もしも乾燥したフンが空気中を漂っていた場合、それを吸い込んでしまうことで病原菌に感染、感染症を引き起こす可能性があります。
また、ハクビシンには寄生虫(ノミやダニなど)が付着しており、天井裏にはたくさんの寄生虫が潜んでいる可能性があります。
ダニを媒介する病気(疥癬症など)も存在するため、必ず肌が出る服は避けてください。
清掃する道具も一度使用したものは、病原菌が付着している可能性が高いため処分してください。
清掃が完了した後は必ずアルコール(70度以上)または除菌スプレーを使用し、消毒を行ってください。
天井の修繕
天井にできたシミを隠す方法として「天井シール」があります。
ホームセンターなどで簡単に手に入るうえ、柄も種類があるため天井に近いものを選ぶと目立ちにくくなります。
他には、漂白剤を使いシミを消す方法です。
市販の漂白剤を10%~50%に薄め、スプレーボトルに移しシミのある場所に吹きかけます。
時間をおいてから水拭きし、乾いた布でシミを拭き取った後、乾燥させます。
一度では効果が出にくいため、1日~2日に分けて試してみてください。
紹介した方法はあくまでも自分でできる方法であるため、しっかりと修繕したい方は専門の業者に相談することをおすすめします。
「ハクビシン 天井 シミ」を調べている人がよく思う質問
まとめ:天井にシミができてしまった時は専門家に相談を!
この記事では、ハクビシンが原因でできるシミの紹介のほか、天井にできるシミの原因について紹介しました。
本来、天井裏は人がほとんど出入りしないため、湿気がこもらないように対策されています。
しかし、それでも天井にシミやカビが生えるという状態は異常と言って差し支えないと言えるでしょう。
もしも天井にシミのようなものができているのを発見した場合、自分で対処せず専門の業者に相談することを強くおすすめします。
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