夜中に屋根裏から鳴き声や足音のほか、変なニオイがすると感じた場合、屋根裏にハクビシンが潜んでいる可能性があります。
ハクビシンは穴掘りは苦手ですが、運動能力が高いため電線を伝って移動したり、家の近くに生えている木から飛び移ってきたりと意外な方法で侵入してきます。
この記事では、そんなハクビシンの屋根裏への侵入方法、放置してしまうとどうなるのか、追い出す方法や専門の業者の駆除費用についても紹介していきますので、参考にしてみてください。
ハクビシンや動物は屋根裏のどこから入る?
ハクビシンは穴掘りが得意では無い分、運動能力が高い特徴を持っており、予想外な場所から屋根裏に侵入することが知られています。
この項では、ハクビシンやそのほかの動物がどこから屋根裏へ侵入してくるのかを紹介します。
劣化した外壁の隙間
築年数の長い家屋などの経年劣化による外壁の隙間、台風や地震といった災害に遭った際に家屋の外壁が歪みや割れてしまうなどのダメージによってできた隙間から侵入することもあります。
築年数が長い家屋、災害に遭った家は定期的なメンテナンスや外壁の見回りなどの確認をおすすめします。
屋根同士が重なっている部分
屋根と屋根が重なっている部分には隙間があり、そこから侵入することがあります。
日本家屋と呼ばれるタイプの家は、屋根同士が重なる部分があるのも特徴で、その部分には隙間がありますが本来は雨漏りなどが起こらないよう、銅板などで施工されています。
しかし、経年劣化により銅板が腐食してしまい隙間ができることもあります。
換気口の穴や通気口の隙間
外壁などに通気口や換気口がついている家は、その口を侵入経路として使われることがあります。
換気口や通気口とは本来、室内と外気を入れ替える役割を担っていますが、蓋などが風や経年劣化によっていつの間にか外れてしまい、侵入経路として使われてしまうことがあるため、定期的なメンテナンスが必要になります。
瓦や屋根が剥がれた部分
瓦や屋根が剥がれることでできた隙間はハクビシンの侵入経路として使われることがあります。
注意したいのは、台風や地震といった災害の後になります。
災害が過ぎた後は、室内以外にも外壁や屋根、瓦が剥がれていないか確認をする必要があります。
基礎部分の穴
家屋の基礎部分にある四角い穴があり、この部分から侵入されることがあります。
この穴は木造の家に見られ、空気を循環させるための通気口の役割をしています。
本来は動物が侵入できないよう鉄格子や金網でしっかりと塞がれていますが、経年劣化により外れてしまったり、サビなどで脆くなってしまうことがあります。
そうすると、ハクビシンやそのほかの動物たちも容易に侵入することができる部分にもなります。
屋根と外壁の継ぎ目
屋根と外壁の継ぎ目部分が板葺きの場合、ハクビシンが無理やり体をねじ込むことで板をずらし侵入していることがあります。
瓦葺きの木造住宅に多く、継ぎ目である軒下部分から家の中への侵入が多く報告されています。
目に付きにくい場所も多く、日頃から軒下を確認することが重要になります。
床下につながっている縁の下
縁の下から侵入し、壁などを伝って屋根裏へ侵入する可能性があります。
主に縁側がある古民家と呼ばれる家屋についてになりますが、あえて縁側を作っている家もあるため、その場合は注意が必要です。
人目が付かない縁の下はハクビシンだけでなく、ほかの動物の住処としては最適と思われる場所になるため、侵入できないよう対策を講じる必要があります。
雨どいや壁に設置されているパイプ
壁に設置されている雨どいやパイプを伝って屋根裏に侵入することがあります。
ハクビシンは木登りが得意など運動能力がかなり高く、壁に設置されたパイプや雨どいから屋根裏へ向かってよじ登ることができます。
ほかに、エアコンの配管や室外機を使って屋根裏へ侵入することもあるなどの報告も存在します。
屋根近くの植木や電柱・蔦など
近くにある植木や電柱、蔦から屋根に飛び移ることで家の中へ侵入することがあります。
ハクビシンは木登りが得意などのほか、電線を伝って電柱から電柱へ移動することができるほど運動能力が高いことで知られています。
家の近くや屋根の近くに植木や蔦があるとそれを使って屋根に飛び移ることで侵入する場合もあるため、不要な植木や蔦は剪定してしまうなど対策が必要になってきます。
屋根裏にハクビシンがいる場合の特徴
屋根裏に侵入している動物がハクビシンだったときの特徴を紹介します。
屋根裏にハクビシンがいる場合の音や足音
ハクビシンが屋根裏にいると「ドタドタ」とネズミよりも重みのある足音がするほか「キューッキューッ」といった短く区切った少し猫に似ている声で鳴きます。
ハクビシンは夜行性のため、こういった足音や鳴き声は寝静まった夜中に聞こえてくることが多くなります。
騒音以外の特徴
ハクビシンは同じ場所にフン尿をする「溜めフン」という習性があります。
これは、ハクビシン同士のコミュニケーションに使用されるほか、縄張りを主張するためにも使われています。
この溜めフンにより天井に雨漏りのようなシミができてしまい、天井から部屋全体に悪臭が充満するなどのニオイによる被害や家屋への被害も発生します。
ハクビシンが屋根裏にいるとどうなる?
ハクビシンが屋根裏に住み着いてしまうことで様々な被害を引き起こす可能性が高くなります。
その被害は「騒音被害」「悪臭被害」「健康被害」の3つとなります。
騒音被害
ハクビシンは夜行性のため、寝静まった夜中に鳴き声や足音による騒音被害に悩まされることが多くなり、睡眠不足によって大きなストレスを受ける可能性が高くなります。
悪臭被害
ハクビシンは同じ場所にフン尿をする「溜めフン」という習性を持っており、この溜めフンにより天井にシミが作られ天井から部屋や家全体に悪臭が充満するなどの悪臭被害が起こる可能性があります。
また、この溜めフンにより天井の一部が腐ってしまうことで天井が落ちてくることも考えられるため、家屋への被害も考えられます。
健康被害
ハクビシンによる溜めフンには様々な感染症を引き起こす細菌やウイルスが潜んでいます。
また、ハクビシン本体にもノミやダニといった寄生虫が潜んおり、屋根裏から人の生活スペースまで寄生虫が下りてくることで、刺されたり感染症に罹患するといった健康被害に遭う可能性が高くなります。
このほか、ハクビシンのフン尿の清掃と消毒や侵入対策も屋根裏など高所になることも多くなるため、作業中に思わぬケガや感染症に罹患する可能性があります。
プロの専門業者へお願いするにもコストがかかってしまうなど、人間にとっては利益となる部分が無いため、屋根裏に違和感を感じた時はすぐに確認するか、専門業者へ相談することをおすすめします。
昼間ハクビシンは屋根裏で何をしている?
ハクビシンは夜行性の動物のため、昼間は屋根裏で休んでいることが多くなります。
ただ、天気や気温によっては活動する時間が変わることもあります。
また、エサが少なく空腹に感じている時には昼間でも活動することもあり、その際には屋根裏から足音や鳴き声が聞こえてくることもあります。
屋根裏のハクビシンにバルサンは効果ある?
ハクビシンに対してバルサンはある程度の効果は期待できます。
しかし、バルサンの主成分は殺虫成分になるため、哺乳類であるハクビシンにはニオイや煙によるちょっとしたストレスを与える程度になります。
ただ、燻煙剤の使用は警戒心が強く、嗅覚の優れたハクビシンを屋根裏から追い出す際には効果的な方法となります。
ホームセンターやドラッグストアでハクビシン用の燻煙剤を購入することが可能なので、こちらを使用するとより高い効果を期待することができます。
屋根裏のハクビシンを追い出す方法は?
ホームセンターやドラッグストアで購入することができる、ハクビシン用の燻煙剤が最も効果的な方法になります。
警戒心がとても強く、嗅覚も優れているため燻煙剤による煙とニオイはハクビシンにとって大きなストレスとなります。
ただ、使用するにあたり注意する部分は、必ず侵入してきた出入口から一番遠い場所で燻煙剤を使用し、侵入口は開けておくことです。
侵入口を開けておかないと、どんどん奥へ引っ込んでしまい追い出すことに失敗することがあるほか、追い詰められたハクビシンは壁と壁の間などに子供を落とす(逃がす)ことがあります。
しかし、落とされた子供のハクビシンは自力ではどうしようもできず、そのまま弱ってしまい死んでしまうこともあり、その死骸から悪臭や虫が湧くなど別の問題が発生する可能性があるため、侵入口は必ず開けておくようにしてください。
屋根裏のハクビシン駆除が難しい場合
屋根裏など高所に潜むハクビシンを追い出すのは、思わぬケガを負うリスクもあることから素人には難しいと感じる方も多くいるため、この項ではそんな方に向けた別の方法を紹介します。
ハクビシンの駆除をプロに依頼する
害獣駆除の専門業者へ相談することが、最も効率的で安全な方法になります。
専門業者へ任せるべき理由として、ハクビシンは鳥獣保護管理法に守られた動物であることが挙げられます。
この鳥獣保護管理法に守られた動物を無許可で捕獲、殺傷した際には1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
専門業者はこの許可証を取得しているほか、これまでの経験で培ってきた知識や技術があるため様々な場面に対応が可能なうえ、追い出した後に再度侵入されないための対策やアフタフォローが充実しています。
屋根裏のハクビシン駆除費用
屋根裏のハクビシンの駆除費用は「1万円~10万円ほど」が相場となっています。
ただし、屋根裏の被害状況や範囲などによって費用は変わってきます。
もちろん、害獣駆除の専門業者は複数社いますので、必ず相見積もりを行ってください。
業者の中には悪意を持って価格を高く設定していたり、途中から作業はオプション価格になるなど価格がどんどん上がり、見積もりよりも大きくなった金額を請求されることもあります。
そのため、信用できる専門業者なのか見極めるためにも必ず相見積もりを取るようにしましょう。
屋根裏にハクビシンが入らないようにする方法
この記事の「ハクビシンや動物は屋根裏のどこから入る?」で記載している場所に隙間が空いていないか、蓋となっている金属カバーが外れていないかを確認することが重要になります。
もしも、外れてしまっていたり、隙間が空いてしまっている場合はパンチングメタルや金網、パテを使用することでハクビシンが再度侵入することができないよう対策をしてください。
ハクビシンは9㎝ほどの隙間があれば侵入することができるため、このくらいの隙間ならと放置してしまうといつの間にか侵入を許してしまい、もう一度追い出すところから始めることになってしまうので、必ず隙間は無くすよう対策を行ってください。
「ハクビシン 屋根裏 どこから 入る」を調べている人がよく思う質問
まとめ:侵入口を早めに見つけて対策を!
この記事では、ハクビシンは屋根裏への侵入ルートのこと、そのまま放置してしまうとどうなるのか、追い出す方法や駆除費用を紹介しました。
野生動物にはノミやダニといった寄生虫のほか、フン尿には感染症をもたらす細菌が潜んでいる可能性もあるため無暗に触れず、専門の駆除業者に相談するのも手の一つです。
また、ハクビシンに限らず、野生動物が家の中に侵入していると感じた場合はすぐに侵入ルートを特定し、市販の道具で隙間を塞ぐことや忌避剤や燻煙剤を使用するか、専門の駆除業者に相談するなどすることで近寄らせないように対策を行うことが重要です。
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