天井裏で大運動会を繰り広げる困った動物達。
どんな動物が居るのか確かめてやろうと、天井裏を見てみるとそこには・・・。
・・・イタチ?テン??ハクビシン???
一見、同じようなシルエットのため、詳しく無い人には模様が違うだけで、どれも同じに感じます。
この記事では、そんなイタチやテン、ハクビシンの見分け方を写真や画像も交えて紹介します。
イタチ・テン・ハクビシンの見分け方
イタチやテン、ハクビシンを実際に見たことがある、という方は少ないかもしれません。
この項では、そんな動物達の特徴とそれぞれの違いや見分け方を紹介します。
イタチの特徴とテン・ハクビシンとの違い
イタチは胴体が細長く、小さい穴や隙間に入れるような体をしています。
オコジョやフェレットがイタチ科に分類されるため、見た目も似ている近しい種族の動物です。
食性は雑食になりますが肉類を好み、ネズミやトカゲ、カエルなどを捕食します。
性格は気性が荒くとても攻撃的で、縄張りに侵入しようものなら噛みついてきたり、引っ掻いてきたりと攻撃をしてくることがあります。
そのため、天井裏に居るのがイタチの場合、細心の注意が必要になります。
イタチは肛門腺と呼ばれるところから、かなり臭い分泌液を出すことがあり、もしも家の中でこのニオイを出されてしまうと簡単には落ちません。
また、イタチには「ニホンイタチ」と「チョウセンイタチ」の2種類、存在します。
どちらもとてもよく似ているのですが、見分け方として「毛色」と「尻尾の長さ」を見ます。
ニホンイタチの毛色は茶褐色または赤褐色、チョウセンイタチは明るい山吹色をしています。
ただし、冬場のニホンイタチの毛色は山吹色に変わってしまうため、毛色での見分けは難しくなります。
そこで、尻尾の長さを比べます。
ニホンイタチの尻尾は胴体の半分程度の長さ、チョウセンイタチの尻尾の長さは胴体程の長さになります。
そのほか、イタチはテンやハクビシンと体格を比べると、最も小さい動物になります。
テンの特徴とイタチ・ハクビシンとの違い
テンはイタチととてもよく似た動物です。
テンは臆病な性格をしているため、あまり人には近づきませんが危険を感じると鳴き声と共に威嚇し、噛みついてきたり、引っ掻いてきたりと攻撃してきます。
また、イタチと同じく肛門腺からかなり強いニオイがする分泌液を出してくるうえ、イタチよりもニオイはかなり強いため家の中や近くでされてしまうと、大変な事態になることが予想されます。
テンはハクビシンよりも小さい体をしていますが、イタチよりは一回り大きい体格をしています。
イタチとの違いとして、毛色や模様が少し違います。
テンは、鼻周りから胸にかけて薄い黄褐色で少し白っぽく、イタチは鼻周りから胸にかけて白色の模様になっています。
ハクビシンの特徴とイタチ・テンとの違い
ハクビシンは夜行性の動物で、運動能力もかなり高い動物です。
木登りが得意なほか、街中では電線を伝って移動することもあります。
更に、木登りしそのまま屋根へ飛び移るなど、建物への侵入経路を見つけ出すのも苦労します。
食性は雑食ですが、果物や野菜を好んで食べます。
よく勘違いされますが、ハクビシンは運動能力がかなり高いですが、穴掘りは得意ではありません。
ハクビシンとイタチやテンとの違いは、体格の大きさと毛色や模様になります。
体格は3匹の中で最も大きくなり、毛色は全体的に灰褐色ですが四肢は黒色です。
額から鼻先にかけて白い線のような模様が特徴的になります。
イタチ・テン・ハクビシンの写真
この項では、イタチ、テン、ハクビシンの参考となる写真を掲載しています。
比べてみると、特徴的な毛色や模様などわかりやすくなっているので、参考にしてみてください。
イタチ
テン
ハクビシン
イタチ・テン・ハクビシンに似ている動物一覧
イタチやテン、ハクビシンに似ていると言われる動物を画像も交えて紹介します。
画像 | 名前 | 特徴 |
---|---|---|
フェレット | ・寿命は6年~8年 ・食性は肉食 ・とても人懐っこい性格 ・好奇心が旺盛 ・高所は好きだが、降りられないことがある ・とても深く眠ることもあり、死んでしまったと勘違いされることもある | |
オコジョ | ・毛色が真っ白になるのは北方や高山帯にいるものだけ ・食性は肉食 ・尻尾は短く、先が黒色 ・狩りをする際、オコジョダンスをする ・肛門や頬に臭腺を持っていてマーキングに使用する | |
アナグマ | ・夜行性で温厚な性格 ・体長は40㎝~60㎝ほど ・ハクビシンに間違われることもある ・穴掘りが大得意 ・最長で1㎞にも及ぶ穴が発見された事例もある |
イタチ・テン・ハクビシンに似ている動物を見分ける方法
この項では、イタチやテン、ハクビシンによく似た動物を見分ける方法を紹介します。
糞の特徴で見分ける方法
画像 | 名前 | 特徴 |
---|---|---|
引用元:いたちのおうちの覚書 | フェレット | ・茶色や茶褐色 ・箸で摘まめる程度の硬さ ・3㎝~4㎝程度の大きさ ・ジャコウの香りに例えられる |
引用元:静岡踏岳会 オコジョのウンチ | オコジョ | ・イタチよりも水分が多い ・肉食のためか、ニオイは強く臭い ・未消化の木の実や毛が混じっていることがよくある |
引用元:玉川学園 ニホンアナグマ | アナグマ | ・フンをする際、少し穴を掘る ・黒や茶色 ・泥が混じっている ・ニオイが強く、同じ場所で排泄をする習性を持つ |
足跡の特徴で見分ける方法
画像 | 名前 | 特徴 |
---|---|---|
引用元:フェレット専門店 FERRET WORLD | フェレット | ・指は5本、それぞれに肉球がついている ・親指にあたる部分はズレてついているため、物を掴むことができるほど |
引用元:Frank-Ken’s Photo Gallery | オコジョ | ・小さいため、雪の上でも足跡はハッキリとは残らない ・イタチによく似た足跡をしているが、一回り大きい |
引用元:故有事 アナグマ、タヌキ、ハクビシンの足裏 | アナグマ | ・肉球の数が多い ・鋭い爪がある ・タヌキやキツネに比べると横幅がある |
その他に見分けるポイント
見分ける際のポイントとして、毛色や模様が挙げられます。
特に顔の模様は似ているようでハッキリと違いが現れているので、そこを注意深く観察してみましょう。
また、尻尾の長さも見分ける際のポイントとして活用することができます。
見分けるときの注意点
人にはどうしても「決めつけ」て物事を判断することがあります。
例えば、ハクビシンが侵入しているのに、額の真ん中に白い線のような模様があるという理由だけでアナグマだと決めつけてしまい、間違った対策をしてしまうこともあるため注意してください。
また、近くで観察したいなどの理由で不用意に近づくと威嚇されたり、襲われる可能性があります。
特にイタチは縄張り意識が強い動物なので、思わぬケガを負う可能性もあるため十分注意してください。
動物別に見分ける方法を紹介
この項では、それぞれ動物ごとに見分け方を紹介します。
イタチみたいな動物を見分ける方法
鼻と口の周りが白く、首から胸にかけて白くなっているのが特徴です。
毛色は全体的に褐色や茶褐色になります。
フェレットに似てる動物を見分ける方法
鼻と口の周りが白く、目の周りが黒、目と耳の間が白と、顔が縞々の模様になっています。
また、耳は短いが大きいのが特徴です。
人懐っこい性格で好奇心が旺盛な動物のため、自分から近寄ってくることもあります。
オコジョに似てる動物を見分ける方法
真っ白な体になるのは、北方や山岳帯に住むものだけになります。
体が真っ白なオコジョは、尻尾の先だけ黒くなるのですぐに見分けることができます。
夏場は背面部分が茶褐色や茶色に、首からお腹にかけて白色になるのが特徴です。
アナグマとハクビシンの比較画像
アナグマ
アナグマは40㎝~60㎝とハクビシンと比べるとかなり大きな体格です。
ハクビシンと比べると動きはのっそりとしていて、温厚な性格です。
穴掘りが大得意で、過去には1㎞に及ぶ巣穴を掘っている事例も報告されています。
毛色は黒茶褐色で、黒味が強い個体も存在します。
ハクビシン
体長は90㎝~110㎝ほどと大きく感じますが、実際には尻尾の長さが40㎝~45㎝と数値の半分くらいは尻尾の長さになります。
アナグマと違い、穴を掘ることは苦手です。
その代わり運動能力が高く、街中では電線を伝うことで屋根から屋根へ移動したり、木登りも得意なので木から屋根に飛び移ったりすることが可能です。
毛色は灰色の入った茶色になります。
野生のイタチが住宅街に出たときの被害
イタチが住処として家の屋根裏や床下などを選び、住み着いてしまった場合「悪臭被害」「家屋への被害」「人への被害」が考えられます。
・悪臭被害
イタチが排泄するフン尿はかなり臭く、一か所に排泄する(溜めフン)習性を持ちます。
これにより、ニオイがどんどん強くなり、家屋全体が酷いニオイに悩まされる可能性があります。
また、イタチには肛門腺と呼ばれる器官を持ち、そこから強烈なニオイがする分泌液を出します。
このニオイはかなり強く、家屋に付けられてしまうとニオイは簡単には取れません。
・家屋への被害
イタチは一か所でフン尿をする習性(溜めフン)を持ちます。
これにより、悪臭が酷くなるだけでなく天井裏などにされてしまうと最悪の場合、天井が腐って落ちてくることも考えられます。
また、断熱材や配線ケーブル、柱を爪で引っ掻く、噛むといった行動により家屋への被害が広がっていく可能性があります。
・人体への被害
イタチは感染症の原因となる病原菌を多数保有しています。
噛まれたり、引っ掻かれたりした場合、狂犬病、破傷風、鼠咬傷(そこうしょう)などに実際に感染してしまったという報告もあります。
また、寄生虫(ダニやノミ)も多量に保有していることも考えられ、それらを媒介にする感染症に罹患する可能性もあります。
イタチ・テン・ハクビシンを見つけたらどうしたらいい?
方法として「自分で対策する」「業者に任せる」の2つありますが、害獣駆除の専門業者へ相談することをおすすめします。
イタチやテン、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」という法律で守られた動物です。
無暗に捕獲や殺傷をしてしまうと「懲役1年以下または100万円以下の罰金」に科せられることもあります。
つまり、自分で対策を行う場合は「追い出す」以外の方法が無いうえ、帰巣本能を持つ動物は一度や二度追い出されても何度でも戻ってきます。(これが本当の「イタチごっこ」)
また、フン尿を掃除と消毒をする場合でも、しっかりとした感染症対策をしておかないと病原菌を吸い込んでしまうなどのリスクも考えられます。
こういったリスクも害獣駆除の専門業者へ相談すれば、金銭的なコストはかかりますが、追い出しから掃除、消毒、再侵入防止策を施してもらえます。
たくさんの知識や技術と道具を駆使することで、実績を上げている業者も多数います。
現地調査から見積りまでは無料で行っているところも多いので、被害が大きくなる前に一度相談することをおすすめします。
「イタチテン ハクビシンに似た動物」を調べている人がよく思う質問
まとめ:見分けるポイントを知って正しい対処法を!
この記事では、イタチ・テン・ハクビシンや似た動物の見分け方を写真や画像を交えて紹介しました。
臆病な性格な動物が多い中、イタチは気性の荒い個体が多く噛みつかれたり、引っ掻かれたりするなどケガをする人が多くいます。
もしもイタチに似た動物を見つけても、不用意に近づくことはせず、苦手なニオイのするものを設置するなどの対策を行ってください。
また、どの動物なのか判別が難しいと感じた方は、害獣駆除の専門業者へ相談することをおすすめします。
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