私たちの家の周辺には、アブラコウモリという種類のコウモリが生息しています。
アブラコウモリは、家の軒下や屋根裏などを休憩場所(ナイトルースト)として利用するため、家屋への侵入や糞尿などの被害に悩まされる原因になることがあります。
コウモリが自分の家の壁などにぶら下がっていたら、誰でもびっくりしますよね。
そこで今回は、自分の家にコウモリがすみついているかもと不安になった時にも、冷静に対処できるように、コウモリのナイトルーストへの対策について詳しく解説します。
コウモリのナイトルースト対策
忌避剤や燻煙剤などを使用する
忌避剤やくん煙剤には、コウモリの嫌がるハッカ成分や化学成分などが含まれているため、効果的にコウモリを追い払うことができます。
忌避剤には、スプレータイプや固形タイプ、ジェルタイプなど様々な形態のものが販売されているので、コウモリがすみついている場所にあわせて、使用しやすいものを選ぶと良いでしょう。
一般的に、スプレータイプは即効性はありますが効果の持続時間が短く、固形やジェルタイプの方が持続時間が長いという特徴があります。
くん煙剤は、煙といっしょに化学成分が空間に充満して効果を発揮します。
食べ物などを保存している場所には使用しずらく、煙などがかかるのを避けたいものには事前に新聞紙やビニールなどをかけて保護するなどの事前準備や事後の掃除が必要なこともあります。
音を出す
夜行性のコウモリは視力が発達していないため、超音波の反射を利用して自分のいる位置や餌となる虫の居場所を感知しています。
音を出すことで、特定の高周波の音を発生させることで、コウモリの行動を混乱させることができると言われています。
動物や虫対策のために販売されている超音波装置は、数種類の音波を自動で変換して発生させているものが多く、動物に音をなれさせないような工夫がなされています。
また、ラジオを流すこともコウモリ対策として紹介されていることがありますが、これはラジオの音声ではなく、ラジオの受信機そのものが発する高周波の音によるものと考えられています。
この高周波の音は、人には聞き取れない波長で影響はないと言われていますが、不快な音として感じ取る人もいるので、使い方には注意が必要です。
照明をつける
夜行性のコウモリは、明るい所を嫌います。
そのため、休息場所として使うナイトルーストをライトなどで照らして明るくすることは効果的です。
ただし、蛍光灯などの明かりは虫などを誘引する効果があるため、それらの虫を追いかけてコウモリも呼び寄せてしまうかもしれません。
それにコウモリはいなくなったとしても、灯りに集まってきた虫の死骸が外灯や家周りにたくさん落ちているのも嫌なものです。
そんな時には、LED電球を活用してみましょう。
LED電球は蛍光灯などに比べて、虫を誘引する紫外線を含まないので、虫をあまり寄せ付けることがありません。
換気をする
コウモリは湿度が高く暗くて静かな環境をすみかとして好みます。
そのため、換気することで乾燥した環境にすることや、扇風機などの風の影響や機器の音によってコウモリにとって苦手な環境とすることができます。
換気対策はすみつきにくい環境にするという意味では、一定の効果が期待できますが、屋根裏のような広い空間の場合には、直接風の影響を受けない場所に移動するなど、家の中から確実に追い出すことができる方法とは言い難いです。
換気をしても効果がみられない場合には、別の方法も併用するなどして対策するようにしましょう。
侵入経路を塞ぐ
アブラコウモリは体長5、6cm程度の小型のコウモリで、侵入口の厚みが1cmほどあれば家の内部に侵入することが可能です。
忌避剤やライトなどを使ってコウモリを家から追い出したとしても、そのままにしておくと再びすみついてしまうこともあります。
コウモリの再侵入を根本的に防ぐためには、追い出した後にナイトルーストへの侵入を防ぐために、隙間などを物理的に塞ぐことが重要です。
コウモリがすみかとする場所は様々です。
壁にできた隙間、屋根と壁の隙間、雨戸の戸袋、通風孔など、それぞれの場所に応じて、金網やシーリング材などを用いて侵入口をを塞ぐようにしましょう。
環境を整える
アブラコウモリは飛んでいる虫を主食としています。
そのため、食料となる虫が大量に発生しないような環境を整えることも間接的な効果が期待できます。
家周囲や家から漏れ出る光をLED電球に切り替えて、羽虫を呼び寄せないようにします。
蚊や他の羽虫が庭で大量に繁殖しないように、雨水などが溜まってしまうような入れ物や枯れ草などを放置せず、家周りは綺麗にしておくようにしましょう。
また、アブラコウモリは静かでジメッとした薄暗い場所を好むので、人の目につかない、環境変化の少ない所にそっと潜みます。
通風孔や雨戸なども定期的に清掃して綺麗を保つようにすることで、自然とすみつきにくい家にするようにしましょう。
そもそもコウモリのナイトルーストとは?
私たちの家などをすみかとするアブラコウモリは夜行性のコウモリです。
夜行性のため、夕方日が暮れ始めると活動を開始して、餌となる虫を集めに飛び立ちます。
ナイトルーストはもともと夜間の活動の合い間に、休息を取る場所のことを指しています。
しかし、休息のはずか気に入った環境を手に入れると、昼間のすみかとして、繁殖や越冬する場所としても活用します。
また、ナイトルーストは複数で共有して使われることが多く、その数が多くなればなるほど、家屋などへの糞尿の被害もひどくなります。
コウモリのナイトルーストの時間は?
アブラコウモリがナイトルーストを活用する時間帯は、日暮れから明け方までの夜間です。
軒下の外壁など昼間は明るくなる場所は、昼間の休息場所としては利用しないので、朝になると糞尿の跡だけが周辺に残っていて、コウモリの姿はみられないことが多いです。
ナイトルーストが、昼間でも、薄暗く落ち着いて生息できる環境だった場合には、昼のすみかとしても活用することになるため、夜間の採餌の合い間から日中の間、ずっと同じ場所に潜んでいることもあります。
コウモリのナイトルーストには蚊取り線香は効果がある?
コウモリはとても嗅覚が優れているため、刺激的な臭いなどに敏感です。
そのため、蚊取り線香の煙や臭いには、コウモリを追い払ったり、寄せ付けないようにする一定の効果が期待できます。
ただ、蚊取り線香は、持続時間も短く、広い空間や屋外の環境だと煙が拡散してその効果を得られにくいため、使用する場所によっては、十分な対策とはいえないでしょう。
コウモリスプレーをする適切な時間帯は?
コウモリスプレーは、即効性はありますが、作用の持続時間は3〜6時間程度と短いのが特徴です。
夜間に使用されるナイトルーストの場合は、夕暮れ時にスプレーするのが良いですが、夜明けまでの長い時間作用は持続しないので、夜間の間も複数回使用する、持続時間の長い固形忌避剤などを併用するなどの工夫が必要になります。
その他のコウモリ対策
コウモリが壁にとまるときの対処法は?
夜間コウモリが壁にとまっている場合は、ナイトルーストとして利用されている可能性が高いです。
目の細かいネットなどを張って、その壁に侵入できないように、昼間の間に対策することで根本的に解決することが可能です。
コウモリが昼間動かないときの対処法は?
コウモリは夜行性のため昼間は基本的に動きません。
いる場所がそっとしておける場所の場合には、そのまま日が暮れるまで様子をみましょう。
夜の間にいなくなっていることが多いです。
朝になっても同じ場所にいる場合には、体が弱っていて動くことができなくなっている可能性があります。
コウモリは鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)の対象動物のため、お住まいの自治体に保護などの対応も含めてどう対処すべきか相談するようにしましょう。
コウモリが毎年くる場合の対処法は?
忌避剤や超音波、ライトなどを使って、一時的にコウモリを追い払うことができたとしても、毎年のように来てしまう場合には、根本的にナイトルーストなどのすみかを物理的に塞ぐ対策をする必要があります。
併せて、家周りを綺麗にして、餌となる虫の発生を抑えたり、すみつきにくい環境をつくるようにしましょう。
コウモリ飛来防止反射板の効果的な使い方は?
木材や凹凸のある塗装壁などはコウモリがぶら下がりやすい材質となっているため、休息場所として利用されます。
休息している場所を特定したら、コウモリがぶら下がる足場を無くすように、アクリル板のような表面がつるつるした板を設置します。
壁や軒下にこうした板を自力で設置することは簡単な方法ではありませんが、コウモリがぶら下がる場所をなくしてしまう方法なので、飛来防止策としてはとても効果があるようです。
自分でコウモリ対策ができない場合は?
忌避剤やライト、超音波などを使ってコウモリの飛来防止ができればよいのですが、こうした忌避対策はコウモリが慣れてしまったり、毎年同じことを繰り返したりと、再発することも多いです。
根本的な対策には、コウモリが休息場所として利用する隙間や壁などへの侵入防止の対策がどうしても必要です。
高所での作業になったり、すべての侵入口を見つけて塞いだりすることは困難なことも多いです。
コウモリ対策を自力で行うことが難しいと感じた時には、無理せず自治体や専門業者に相談するようにしましょう。
「コウモリ ナイトルースト 対策」を調べている人がよく思う質問
まとめ:ナイトルーストは早めの対処を!
ナイトルーストは、コウモリが休憩場所として気にいった場所なので、放置しておくと毎晩利用され、飛来してくる個体数も増えてしまうかもしれません。
利用する時間が長くなればなるほど、個体数が増えれば増えるほど、糞尿の被害もひどくなってしまいます。
コウモリがその場所に執着して落ち着いてしまう前に、忌避剤などを活用して、できるだけ早く追い払うようにしましょう。
家の中にまで侵入されて、すみついてしまった場合には、自力で追い払うことが難しくなることもあります。
自分で対処することが難しいと感じた場合には、無理をせず専門業者などに相談することをおすすめします。
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