皆さんは、家でネズミを見かけたことはありますか?
ネズミは身近に感じる動物ですが、どんな時期によく見かけるのか、なぜ家の中に入ってくるのか、知らないことも多いと思います。
今回は、ネズミがでやすい季節や家にすみつく原因、それを防ぐ方法などについて解説していきます。
ネズミについての知識を深めて、万が一、家で見かけたときにも冷静に対処できるようにしておきましょう。
ネズミが一番出る時期は夏?
ネズミの活動は季節ごとに異なりますが、夏に多く出るわけではありません。
ネズミは種子や果実、穀類、昆虫などを食べる雑食性です。
夏は屋外に食べ物が豊富となるため、屋外での活動が増えます。
そのため、実際には、ネズミは一年中、人の生活環境の近くで生息していますが、屋外に食べ物が多くなり、活動しやすい気温となる夏の間は、家の中や家周りなどで見られることが少なくなる傾向があるようです。
東京都におけるねずみ・衛生害虫等相談状況調査結果を見ると、一年中相談はありますが、天井裏などの高いところに登ることを得意とするクマネズミの相談件数は、春〜夏の暖かい季節と比べると秋〜冬の寒い季節の方が多い傾向にあります。
ネズミの夏に関する行動
ネズミは夏いなくなるのか?
ネズミは、夏だからといっていなくなっているわけではありません。
春から夏になると屋外に食べ物が豊富となるため、ネズミは屋外で活発に動きまわるようになります。
寒さをしのぐため家の中に侵入してきたネズミは、暖かさとともにすみかを外に移動する個体もでてきます。
また、あまりにも暑すぎる環境は苦手なため、風通しのよい床下や野外の土の中など、涼しい場所に避難することもあります。
そのため、春から夏の間は、ネズミの痕跡を家の中で見かけることが少なくなる傾向にあるようです。
夏の天井にいるネズミはどうしている?
夏になったら天井から足音が聞こえなくなることがあります。
天井裏は外気温の影響をうけやすく、熱い空気がこもりがちになるため、夏場は高温多湿になりやすい場所です。
ネズミは、極端に暑すぎる環境は苦手です。
天井裏をすみかとしやすいクマネズミという種類のネズミは、あまりジメジメした環境も得意ではありません。
そのため、冬の間はあたたかく快適な環境となっていた天井裏にいたものの、夏の極端な暑さを嫌って、屋外や床下などの涼しいところを求めて一時的にすみかを移動することがあるようです。
ネズミは暑さに弱い?
ネズミは、暑さに特別弱い生きものというわけではありませんが、極端な暑さや乾燥には適応していません。
ネズミは体が小さい分代謝が早く、熱を常に生産し放出しています。
1日分の餌として、体重の3分の1〜4分の1ほどの食物量を必要としているのは、それだけ常にエネルギーを消費しているからです。
また、種類によっては、脂肪を蓄えにくい性質のネズミもいます。
高温環境では、体が小さい分外気温の影響を受けて体が高温になりやすく、さらに余分な脂肪分などが少ないため、体温調節が追いつかず、脱水症状や飢餓状態に陥りやすいという特徴があります。
猛暑でネズミは死なないのか?
ネズミは、基本的に夜行性のため、昼の暑さが緩んでからの活動が主になります。
また、暑さをしのぐため、夏の間はすみかも涼しい場所を求めて移動するため、猛暑そのものがネズミを死なせることは少ないと考えられます。
ただし、猛暑が原因で、水分や食物がとれなくなると、エネルギー消費量の多いネズミは数日で餓死してしまいます。
ネズミの駆除は夏に行っても大丈夫?
夏でもネズミの足音や痕跡が家の中にあるようであれば、駆除を行うことは可能です。
ただし、屋外での活動時間が増えることや、餌が屋外に豊富にあることから、捕獲ケージに設置する餌には寄り付きにくくなることが考えられます。
そのため、侵入してくる通路やすみかと思われる場所を特定し、効果的に捕獲ケージを設置することが重要です。
また、夏はネズミの死骸が腐敗しやすいため、捕獲ケージなどを設置した場合には、毎日必ずネズミがかかっていないか確認することが大切です。
数日放置してしまうと、腐敗が進み悪臭にも悩まされることにもなり、ウジ虫やダニなどが大量に発生することにもなりかねません。
同様の理由で、毒餌などをまくことは、それを食べたネズミが家の中で死んでしまった場合に、死骸が簡単に回収できなくなる可能性があるため、あまりおすすめできません。
季節におけるネズミの行動
春の行動
ネズミは、環境が良ければ一年中繁殖していますが、一般的に春と秋が繁殖のピークです。
冬の寒くて食べ物の乏しい時期を乗り越えて、春は、繁殖行動の開始と食べ物探しのため急激に活発になります。
屋外の自然環境にも木の実や昆虫などの食べ物が増えてくるため、外で食べ物を探し始めるようになります。
夏の行動
屋外の食べ物が豊富な時期になるため、屋外で活動する時間も増えてきます。
家の周辺から完全に離れ、すみかも屋外につくる個体も出てきます。
また、天井裏などは高温になりやすいため、涼しい環境を求めて、床下や屋外にすみかを一時的に避難する個体もでてきます。
天井裏の足音は響きやすいですが、床下は足音などには気が付きにくくなるので、ネズミがいなくなったと勘違いする人もいるかもしれません。
そのため、春の繁殖により個体数は増える時期ですが、家の中でネズミの痕跡をみかけることは減る傾向が見られます。
秋の行動
秋は再びネズミの繁殖活動が活発になる時期です。
木の実などは豊富な時期ですが、環境によっては外の食べ物が少なくなってくるので、家の中に食べ物がある場合には、ネズミを引き寄せてしまうことになりやすい季節です。
また、涼しい日も増えるので、暖かい場所を求めてすみかを家の中に移してくる個体も増えます。
夏に繁殖した子どもたちも引き連れて家の中に入ってくる、そして家の中でも繁殖が再びピークをむかえます。
ネズミの家屋侵入に関わる相談件数が秋にとても多いのは、これらのことが原因と考えられます。
冬の行動
ネズミは寒さが苦手な上、冬は屋外には食べ物が少なくなります。
寒さをしのぎ、食べ物を得るために、あたたかい家の中に侵入してくるネズミが増加します。
天井裏や床下など暖かく安心して過ごせる場所をすみかにして、夜間は食べ物を求めて家の中を歩き回ります。
家の中に生息する時間が最も長くなる季節ともいえます。
ネズミが出る時間帯は?
ネズミは、安全な環境下では昼間にも行動しますが、基本的に夜行性で、主に夜間に活動します。
日暮れ頃から活動を開始し、明け方またすみかに戻ります。
最も活発に活動するのは、動き始めの夕方頃と、すみかに戻って来る明け方といわれています。
家の中と外を出入りしているようなときには、この時間帯に一番姿を確認しやすいかもしれません。
また、家の中で食べ物を探す場合には、深夜など人の気配のない時間帯を狙って活動します。
ネズミが出る家の特徴
以下のような特徴があげられます。
- 侵入する穴や隙間がある家
ネズミは食べ物や暖を求めて、家の中に侵入してきます。
小さい個体だと1cm程度の隙間からでも侵入が可能です。
- 食べ物が豊富な家
貯蔵室にそのまま食べ物がおいてあったり、生ゴミや食べ物のカスなどが散らかっている家は、ネズミを呼び寄せやすいです。
- 断熱材や布、紙類など巣材としやすいものが散らかっている家
暖をとったり、巣を作ったりするための資材が散らかっているような家はネズミがすみかとして活用しやすいです。
ネズミの駆除の最適な時期は?
個体数が増えると、駆除するには労力も費用も必要になるので、春と秋の繁殖期の前に駆除した方が効率的だといえます。
冬から春先の間は、屋外の食べ物が乏しい季節になるので、捕獲ケージの餌にも誘引されやすく、家の中で活動する時間も増えるので、家の中で捕獲作業を行うには適した季節です。
夏の間は、ネズミの活動が野外に移りやすい時期になるので、忌避剤などを活用して家から追い出すように働きかけます。
ですが、ネズミは環境が良ければ1年中繁殖することもできます。
また、ネズミがすみついている時間が長くなるほど糞尿などによる家屋への被害もひどくなりますし、臭いなどにも悩まされるようになります。
そのため、家の中にネズミが潜んでいることがわかった時には、季節を問わず、できるだけ早期にネズミを追い出す、捕獲するなどの対処が必要です。
ねずみは自然にいなくなる?
ネズミが自然にいなくなる事は考えにくいです。
そもそも食べ物や暖がとりやすく、ネズミにとって住み心地がよいから、その場所に侵入してきているので、ネズミがいなくなるためには、それらの環境を無くすことが必要不可欠です。
ネズミたちが何らかの要因で一時的にいなくなることは考えられますが、住み心地の良い環境である限り、別のネズミたちが再び侵入してくると考えるべきです。
家の中への侵入対策を行わないかぎり、根本的な問題は解決できないでしょう。
ネズミが家に出ないようにするための対策は?
以下のことが重要です。
- 侵入する穴や隙間を塞ぐ
通風孔や壁と屋根の隙間、配管周り、雨戸の戸袋などに小さな隙間や穴がないか十分に確認して、全ての侵入経路を塞ぐことが最も重要です。
侵入経路の確認や穴埋めなどの作業は簡単なことではないので、難しいと思った時には、無理をせず専門業者などに相談することをおすすめします。
- 食べ物や巣材となるものを片付ける
食べ物などを家の中に放置してネズミを家の中に誘引しないようにします。
倉庫などに貯蔵している食べ物などは密封できる容器に入れて収納するようにします。
生ゴミや食べ物のカスなどもそのまま放置しないようし、キッチン周りは衛生的に整理することを心がけましょう。
また、巣材に活用されそうな不要品は廃棄するなどして、天井裏や床下、倉庫なども綺麗にしておくことも大切です。
「ネズミ 出る時期 夏」を調べている人がよく思う質問
まとめ:夏に駆除する場合は注意が必要
家の中にネズミを見つけてしまった場合には、季節による行動の変化などを理解して、侵入対策を実施することが大切です。
ネズミのすみかや食べ物となるものを排除し、侵入経路を塞ぐなどの根本的な対策を講じるようにしましょう。
状況によっては駆除する必要があるかもしれませんが、夏に行う場合には注意が必要です。
夏の間は、ネズミは屋外での活動が盛んになるため、家の中で駆除することが難しくなることが考えられます。
また、夏に捕獲ケージや毒餌を設置した場合、死骸が腐敗しやすいため、毎日必ずチェックして、腐敗や悪臭を防ぐことが必要です。
駆除などを自分で行うことが難しいと感じた時には、無理をせず、自治体や専門業者に相談するようにしましょう。
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