飲食店などでネズミを見た・・・、という方は以外と多いものです。
特に飲食店というのは衛生面が行き届いているにも関わらず、夜~深夜帯になる人気が徐々に減りつつある頃にススッと顔を覗かせることがあります。
ネズミは様々な病原菌を体内に持っており、もし仮に料理など直接人の体内に入るようなものに含まれてしまえば食中毒を引き起こす可能性が高くなります。
集団食中毒へ発展してしまうと最悪、店が保健所によって営業停止を言い渡されることもあるため、ネズミを見かけたときには一刻も早い処置と対策を講じる必要があります。
そこで今回、もし飲食店でネズミを見かけたときにどんな対応をするべきなのか、その対応をするべき理由のほか、ネズミを介した細菌感染の危険性をご紹介します。
また、日常的な再発防止策も合わせてご紹介していきますので、飲食店などの経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
飲食店でネズミを見たらどうする?
ここでは、「飲食店に客として来店していた場合」「飲食店に従業員として働いている場合」の2つのパターンを想定し、もし飲食店でネズミを見かけ時にどうするのか?を考えてみましょう。
客として来店していた場合
飲食店へは美味しい食事、楽しいひと時を求め来店します。
しかし、そのお店でネズミを見かけたときにはそういった気分を大きく損なうことになるでしょう。
せっかくの楽しい気分を台無しにされる、美味しい料理が急に美味しくなくなるなど嫌な気分にされてしまった、また、珍しいからと言って安易にスマートフォン等でネズミを撮影しSNS等に投稿することは決してオススメしません。
風評被害により、もしかしたらその店舗は経営が悪化するだけではなく、閉店となってしまう可能性もあるからです。
今後もそのお店を利用したいと思うならば、ネズミを見かけたときには従業員を呼び早急に対応してもらうよう呼びかけましょう。
従業員で働いている場合
お客様に被害が出るまたは、風評被害が発生する前に対処と対策を早急に講じなければいけません。
飲食店にネズミが出てきた際に考えられる被害は以下の4点です。
・お客様または従業員への健康被害
・風評被害による売り上げの悪化
・糞や齧られることによって、食材が使用できなくなる
・店舗の壁や床、配線を齧られることによる漏電被害
どの項目も起こると大変なことになりますが風評被害に関しては今の時代、一瞬で世間に広まります。
今は携帯(スマートフォン)を持っていない人はいないと言われ、ネズミという物珍しい生き物がいればすぐにカメラで撮影しSNS等に投稿される時代です。
一度投稿されてしまうともう回収することは不可能となります。
仮に何も被害が出ていなくても「ネズミが出た」という事実だけで簡単に炎上し、経営が悪化してしまうことや最悪の場合、閉店にまで追い込まれてしまうのが今の世の中なのです。
飲食店でねずみを見たときの知恵袋の声やネットの反応
飲食店でネズミを見かけたときの知恵袋のほか、SNS等に投稿されているものにはどのような反応があるのかまとめてみました。
飲食店経営なのですが、最近ネズミが出て困っています。飲食店なので殺虫剤とか使えないのでどうすればよいでしょうか?
引用元:Yahoo!知恵袋
飲食店で食事中にネズミが現れ手に触れました。クレームを入れるのは妥当でしょうか。 カウンター席で食事をしてたのですが、机の上をネズミが右側から走ってきて右手に触れそれを払った拍子にコートの腹辺りに落ち逃げました。 私は潔癖症で5分ほど気持ち悪さを耐えてました。 半分ほど料理に手をつけてたのですが、とても食べ続けようとは思えず店を出ました。 隣の席の方は私が気づいた時には、席を移動したのか私と同じく店を後にしたのかわかりませんがいませんでした。 店外に出ると責任者らしき方に呼び止められ、返金の申し出があったので了承し帰宅しました。 帰宅中出来事を思い出し、潔癖症故か、何故か触れた手と反対の手に蕁麻疹が出ました。 初めての発症で焦りましたがすぐに治まりました。 チェーン店だったのでクレームを入れようと思うのですが、返金を受け取りましたし、非常識でしょうか。
引用元:Yahoo!知恵袋
今秋葉原はネズミがめちゃくちゃいる
— カキネ@@@ (@kakineeeeeex) April 12, 2020
人がいないからか、飲食店がやってなくて餌がないからか分からんけど夜に10分歩いただけで6匹見た
渋谷で巨大ネズミ見た。
— CHIZU (@0623Chizu) September 2, 2024
ネズミといえば前に飲食店でアルバイトした時、厨房にネズミがいた。駆除しても捕まるのは子ネズミで大きなネズミは賢くて捕まらないらしい。いつも厨房のクルトンを食い散らかしてた。クルトンを容器に入れるように伝えても改善されず。衛生面怖すぎ体験だった。
店側としても、「どうにかしたい。」客側としても、「どうにかしてもらいたい。」という意見が多く見受けられます。
飲食店でねずみがいるのは当たり前なの?
飲食店だけでなく、皆さんが利用している店舗にネズミが発生することは当たり前ではありません。
特に飲食を扱う店舗は食品衛生の観点からも厳しい基準をクリアし、運営しております。
しかし、飲食店には日々豊富な食材が保存され1日に何百、何千食とお客様に提供されており、どうしても目が行き届かない部分が出てきてしまうのも現実です。
もし、自身の働いている店舗にネズミが発生した場合は早急に害獣駆除業者に相談することを強くおすすめします。
飲食店でネズミがでたら保健所に通報される?
状況にもよるところが大きいですが、ネズミやそのほかの害獣による被害が大きければ、お客様から保健所へ通報されてしまう可能性は大きいでしょう。
もしも、ネズミを見かけたというだけならば、保健所からの注意や指導で済むこともあります。
ただし、ネズミにはサルモネラ菌をはじめ、多くの病原菌を保有しており糞などを媒介し集団食中毒に発展する可能性が非常に高く、仮に食中毒が原因となる被害が出た場合は「3日~7日間程度の営業停止」となることもあります。
また、ネズミは「何でも齧る」習性を有し、食品だけでなく壁や床や天井、電気コードに至るまですべて齧る対象となり、電気コードの場合は漏電を起こし最悪の場合は火事の原因にもなります。
飲食店でねずみが出てクレームに発展した場合は?
お客様からネズミを見かけたなどの問い合わせ、クレームについてはアルバイトではなくその店舗内で最も責任を持つ担当者が対応します。
その際、「この店に限ってそんなことは無い。」「ネズミなんてどこの店舗でもいます。」などの反論は相手の感情を逆なですることになり、クレームだけでは済まない事態になりかねません。
まずは、「どこで」「どんなネズミを見かけたのか」などの情報をお客様から聞くことが最も良い対応になります。
最初に気分を害したことに対してお詫びをし、次回にも来店していただけるようにお願いすると同時に、2度目の目撃情報が出ないよう、徹底した対策を講じる必要があります。
飲食店でねずみが出た場合は誰の責任?
ネズミが発生した状況によって責任の所在が変わりますが、テナントの契約中にネズミが発生した場合はテナントを借りた人(賃借人)が駆除費用を負担する場合が多いです。
ただし、テナントの持ち主(貸主)が契約よりも以前からネズミが侵入する余地(壁や天井に穴など)があったにも関わらず、修繕を行わなかったことが判明した場合は貸主に駆除費用の支払い義務が生じる事もあります。
飲食店に出るネズミの隠語
飲食店で使われる隠語でネズミを表すのは「ミッキー」が多く見られました。
そもそも隠語とは「お客様に聞かれたくない言葉があるから」業界用語として使用されています。
トイレやゴキブリ、ネズミといった言葉を食事中のお客様の耳に入れるのは気分が良いものではないため、隠語を使用されている店舗が多いのです。
飲食店に出るねずみの種類
飲食店に現れるネズミは主に「ドブネズミ」「クマネズミ」になります。
ドブネズミは都市の下水や床下、地下街に生息し排水溝から厨房内へと侵入することがあり、水洗トイレから侵入することもあるなど、侵入可能経路が多いのが特徴です。
また、石膏ボードなどの柔らかい壁の場合は齧って穴を開け侵入もしてきます。
クマネズミは外部から天井裏や壁内部の空間部分に住み付き、餌を求めて厨房や店頭に姿を現します。
運動能力が高く、排水パイプや配線コードなどを伝い垂直の状況でも容易に移動を行うことが出来るため、上層階の飲食店にも姿を現すことが多いのもこの種類です。
ネズミが原因の食中毒の事例
ネズミが原因となる食中毒の事例を以下にまとめてみました。
サルモネラ菌
【サルモネラ菌】はネズミが保有する病原菌の一種となり、名前の通り食中毒の原因となる細菌となります。
毎年2,500名~2,700名ほどの感染報告がされていますが、致死率はそれほど高く無いと言われていますが、子供やお年寄りが感染してしまうと重症化する可能性が高くなっています。
食材をしっかりと加熱処理する必要がありますが、ネズミによって調理済みの食品や容器が汚染されてしまうことがあるため十分な注意が必要です。
パラチフス菌
【パラチフス菌】はチフス菌の一種パラチフスA菌の感染によっておこる感染症となっており、腸チフスよりは症状が軽いことが多いのが特徴です。
海外への旅行特に途上国などに行った際は、食べ物の衛生状態に気を配る必要があります。
腸チフス菌
【腸チフス菌】はサルモネラ菌の仲間で、感染すると腸チフスという病名がつきます。
ネズミがいる環境で菌に汚染された食べ物や飲み物から感染することが多く、世界中で感染がみられ特に衛生環境の悪いところで感染と流行するため発展途上国と言われる地域での被害が多いのが特徴です。
E型肝炎
【E型肝炎】はウィルス性肝炎の一種となり、主に汚染された食肉などから感染しネズミを媒介することがわかっています。
過去ほとんどは海外での感染となっていましたが、日本でもネズミから感染する危険性が高まっていると言われています。
妊婦が感染した場合は劇症化し、致死率が20%まで上がるので厳重な注意が必要となり、E型肝炎にはワクチンなどの特効薬はまだ完成していません。
ツツナガムシ病
【ツツナガムシ病】はリケッチアという微生物に感染したダニ(ツツナガムシ)に刺されることで人間に感染するのが特徴です。
ネズミ事態がこの病気を持っているわけではありませんが、ダニをその体に付着させることで、ネズミによって運ばれていると言われています。
鼠咬症
【鼠咬症】はネズミに直接咬まれることで感染し起こる病気になります。
「鼠咬症スペロヘータ感染症」「モニリホルム連鎖桿菌感染症」の2つに分類され、日本では鼠咬症スペロヘータ感染症が多く見られます。
発症すると咬まれた箇所がただれたようになり、傷口付近に発疹も出ることもあり発熱(39℃ほど)、頭痛や吐き気、悪寒に震えといったインフルエンザのような症状が出ます。
熱は数日で一度下がりますが再度発熱、これを数回繰り返します。
ペスト
【ペスト】は14世紀のヨーロッパで大流行し、当時の人口の3割が失われたと言われる死の病で有名です。
しかし、現代では衛生環境の改善により感染数も激減し、日本では1926年を最後に感染者の報告はありませんが海外では未だに感染例が存在します。
予防薬と薬も開発されていますが、早期の治療がされないと致死率が高い危険な病気なのは間違い無く、適切な治療が行われないと発症から2~3日で呼吸困難で死亡する可能性も高くなっています。
レプトスピラ症
【レプトスピラ症】はネズミの排泄物に含まれている菌が水や土壌を経て感染する病気になります。
日本では1970年代前半まで年間50名以上の感染、死亡例が報告されており、沖縄県では現在でも散発的に流行することがあります。
レプトスピラ症は人間だけでなく動物(ペットや家畜)にも感染し、犬やハムスターが感染すると急激な症状が出て死亡してしまいます。
ワクチンは開発されていますが、菌のタイプによっては反応しないこともあるため特効薬というわけではありません。
ハンタウィルス
【ハンタウィルス】はネズミが保有している代表的なウィルスの1つです。
ハンタウィルスはネズミの排泄物を通じて感染し、このウィルスが原因で起こる病気は「腎症候性出血熱」と言われ、長らく世界中で原因不明の風土病や奇病と扱われてきていました。
症状は発熱や頭痛、腎不全、皮下および臓器における出血となり現在もワクチンなどの治療法は確立されていません。
腎不全の症状が重い場合は人工透析が必要となることもあるため大変危険なウィルスと言えます。
飲食店でネズミを見たらすぐに対応するべきこと
飲食店でネズミを見かけたら早急に対応します。
まず、ネズミが出た場合はネズミ駆除そして、お客様や従業員への対応が最も重要になります。
・ネズミなどの害獣駆除業者へ依頼する
・お客様や従業員からの指摘、報告には迅速にかつ誠実に対応
すぐに侵入経路の調査と駆除をおこない、ネズミによる被害などを最小限に抑えましょう。
飲食店でネズミを見たらすぐに対応するべき理由
ネズミを個人や従業員で駆除を行うのはかなりの労力と時間をかけてしまうことになるため、見かけた時はすぐに害獣駆除業者へ連絡を入れるべきです。
まず、ネズミは数匹捕まえた程度では全滅しません。
ネズミは数十匹という群れで生活をしており、一匹のネズミが生む子供の数は6~10匹となっていてあっという間に大きなコロニーを形成してしまいます。
また、ネズミの駆除が完了しても床や天井、通路や人の手の届かない場所に死骸や排泄物が残っており、そのままにしておくと臭いや虫といった別の問題につながりかねません。
ネズミを駆除しその後の掃除も完了した後は、再びネズミの侵入を防ぐために侵入経路を塞ぐ、忌避剤を使用するなどの予防策を講じる必要もあります。
飲食店ができるネズミの対策
飲食店が行うべきネズミによる侵入対策をまとめました。
常日頃から清掃を行う
ネズミの侵入対策としては、最も手軽で最も基本的な方法となります。
ネズミは食べ物の匂いや生ゴミの臭いに惹かれて集まってくるので、常に清潔な環境を保つことによりネズミが侵入する機会を減らすことになります。
特にキッチンの清掃は念入りに行い、油分が残ったり野菜の切れ端が残るなどのことが無いよう心がけてください。
また、生ゴミの処理の際、袋を密閉しネズミなどの害獣が蓋を容易に開けられない容器に捨てるなどの対策も有効です。
ネズミや害獣が侵入しそうな場所を塞ぐ
まず、ラットサインが無いか入念に確認します。
ラットサインとは、ネズミが残す排泄物、齧った痕跡、足跡、壁や柱といった物に黒く擦った跡などを指します。
もしもラットサインが見つかった場合、ネズミがすでに周辺をウロついているという目印になるため、すぐに対策が必要です。
壁の割れ目、屋根の隙間、換気扇、エアコンやトイレの配管、通気口これらはネズミが侵入してくる経路として一番知られているものです。
このような隙間を見つけた場合、金網やパンチングメタルで塞ぎ、出来るだけ目が細かいものがおすすめです。
ネズミはとても小さい隙間からでも侵入してくるので、気になった箇所には対策を行いましょう。
忌避剤を使用する
忌避剤の使用はネズミを寄せ付けないための対策としてとても効果的な方法となります。
忌避剤とは、ネズミが嫌がる臭いの成分を含んだ薬剤になり、スプレータイプ、燻煙タイプ、設置タイプ、固形タイプなどが市販品としてお店に並んでいます。
また、刺激の強い臭いがするもの(ミントやハッカ、唐辛子など)も代用品として使用できます。
「飲食店 ネズミ 見た」を調べている人がよく思う質問
まとめ:飲食店でネズミを見たら速やかに適切な対応を!
飲食店でネズミを見たらどうなるのか、どういった対応をするべきかを紹介してきました。
飲食店でネズミを見かけることは決して普通ではなく、食中毒や様々な菌を保有しているとても不衛生な害獣が店内を走り回っている、これは異常な状況だと理解しましょう。
もし、飲食店でネズミを見かけたら速やかに害獣駆除業者へ連絡し、お客様や従業員へも誠実な対応を心がけるとともに、再びネズミの侵入を許すことが無いよう対策を行いましょう。
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