害獣として知られるネズミ。
不衛生なネズミは家への被害だけでなく、私たち人間へも健康被害を引き起こします。
家でネズミを見かけて以来、咳やくしゃみが止まらなくなった、湿疹が出るようになったなどの症状が出てきたらそれはネズミが原因かも知れません。
そこでこの記事では、ネズミの影響でアレルギーや湿疹が出る原因、ネズミから健康被害にあわないための対策方法など詳しく解説していきます。
ネズミの影響でアレルギーや湿疹が出る?
害獣として知られるネズミの体には多くの菌やダニなどが寄生しています。
ネズミの体についているダニはネズミの体を吸血しながら生きています。
そのダニは私たち人間にも吸血し、湿疹やアレルギーなどの被害を及ぼします。
またネズミは尿を垂れ流しながら歩くという習性があり、ネズミが出す尿や糞によって、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状を引き起こしたり、酷い場合には気管支喘息になるケースもあります。
もし、ネズミを見かけたら健康被害を抑えるためにもすばやく駆除をするように心がけましょう。
ネズミの影響でアレルギーや湿疹が出る理由は?
ネズミの体には多くのダニが寄生しています。
ダニは宿主であるネズミが死んだ時や、ネズミの巣でイエダニが大量発生した場合などにおいて、人の体に寄生してその人の血液を吸うようになります。
ダニに刺されると強いかゆみを引き起こし、赤みを伴う腫れや湿疹といった皮膚トラブルが発生します。
また、ダニのフン・死骸を吸い込むことで、ぜんそく・アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患を引き起こす原因にもなるおそれがあります。
さらに、ネズミは体内にも様々な菌を保有しておりそれらを糞や尿として排出します。
ネズミが排泄した糞や尿が乾燥すると空気中に舞ってしまい、それを吸ってしまうことでアレルギー症状を引き起こす原因となるのです。
ネズミが原因でおこる健康被害は?
ネズミによる健康被害には以下の3つが挙げられます。
アレルギー
ネズミの体には多くのダニが寄生しています。
一説にはネズミ1匹の体には1000匹程度のダニが寄生しているともいわれています。
そのダニのフン・死骸を吸い込むと、咳やくしゃみ、鼻水といったアレルギー症状をを引き起こす原因になります。
また、人によってはぜんそく・アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患になる可能性もあるため注意が必要です。
もしアレルギー症状が現れた場合には場合は専門の病院にかかり、原因を特定することが大切です。
ダニ刺され
ネズミに寄生しているダニは、人を吸血することがあります。
ネズミには主にダニの中でも「イエダニ」と呼ばれる種類のダニが寄生しています。
イエダニによるダニ刺されの症状は、太もも・おなか周り・上腕部の内側といった皮膚の比較的柔らかい部分に症状がでることが多いです。
刺されると赤みや腫れを伴った強いかゆみの症状が現れます。
蚊やアブと違い露出していない部分にも刺されることがあるため注意が必要です。
ダニ刺されはそのまま放置すると、湿疹や色素沈着といった肌トラブルや感染症を招くおそれがあります。
ダニ刺されには、ステロイド軟膏を使った治療が効果的といわれています。
ただし、ダニ刺されがひどい場合や、アレルギー反応が出ている場合は、皮膚科を受診することが大切です。
感染症
ネズミは体内に多くの菌を保有しており、ネズミを媒介として食品を汚染します。
ネズミが保有している主な菌には以下が挙げられます。
- サルモネラ菌
- レプトスピラ菌
- ムハンタウイルス
- E型肝炎ウイルス
- モニリホルムレンサ桿菌・鼠咬症スピリル
例えば保有している菌の中のサルモネラ菌は食中毒を引き起こします。
ネズミが食品をかじるとその食品に菌が付着するため、その食品をあやまって口にすると食中毒を引き起こすおそれがあります。
そのためネズミにかじられた跡のある食べ物は、必ず口にせずすみやかに処分しましょう。
また、ネズミは体内の菌を糞尿として排泄します。ネズミのフンを媒介して感染する恐れもあるため、ネズミの糞を見つけた場合は直接触れずゴム手袋やマスクを着け、すみやかに処分してください。
また、同様にネズミを駆除したとしても死骸には絶対に直接触らないようにしましょう。
ネズミアレルギーの症状は?
ネズミアレルギーによる蕁麻疹
ネズミの糞尿やねずみに直接触れることで、皮膚の一部が赤く膨れて痒みを感じる蕁麻疹が発生します。
ネズミアレルギーによる咳
ネズミの毛や糞尿、ダニの死骸や糞を吸い込むことで引き起こされます。
重症化すると気管支喘息を起こすこともあります。
ネズミアレルギーによるくしゃみ
ネズミの毛や糞尿、ダニの死骸や糞を吸い込むことで引き起こされます。
ネズミアレルギーによる鼻水
ネズミの毛や糞尿、ダニの死骸や糞を吸い込むことで引き起こされます。
アレルギー性鼻炎を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
ネズミアレルギーによる嘔吐
ネズミの糞尿などが誤って体内に取り込まれると引き起こされます。
ネズミアレルギーによるアナフィラキシーショック
アレルギー症状が重くなると、まれにアナフィラキシーショックと呼ばれる状態になります。
アナフィラキシーショックは意識障害や呼吸困難など非常に危険な状態ですので、その場合はすぐに救急車を呼びましょう。
ネズミに寄生しているダニの画像
ネズミの体に寄生している主なダニは「イエダニ」と呼ばれる種類のものです。
イエダニは、通常時は白っぽい色をしており、ダニの中では比較的大きいので、肉眼で確認することもできます。
主に5~9月頃の暖かい時期に活動が活発になりますが、冬場でも部屋が暖かくネズミが周辺にいる場合、発生する可能性があります。
主にネズミや鳥の巣の中で寄生して生きていますが、ヒトを刺すこともあります。
イエダニは腹部周辺や腕の内側など柔らかい皮膚の場所を好んで刺し、基本的に夜間に刺すことが多いです。
ダニ刺され症状の写真
ダニに刺されると腫れ上がり赤くしこりのような状態になり、強いかゆみを伴います。
特に皮膚の柔らかい部分、おなか周りや首、腕の内側といったところによく刺される傾向があります。
蚊よりも小さいしこりの状態になることが多く左右対称に刺されることもあります。
刺されるとかゆみが1週間程度続くことも特徴です。
ネズミアレルギー検査をするには?
もしネズミアレルギーかどうかを調べる場合には医療機関にかかることをお勧めします。
医療機関では血中のIgE抗体を測定することで、アレルギーの原因を特定する特異的IgE検査と呼ばれる血液検査が行われます。
ネズミやダニ、ハウスダストといった複数のアレルゲン物質について調べられるため、最もよく実施されている検査方法のひとつです。
検査結果は抗体の量を測定して算出されます。
0~6の7段階評価で0が陰性、1が偽陰性、2以上が陽性となります。結果は医療機関によっても異なりますが通常半日から1週間程度で出ることが多いようです。
ネズミの被害にあわないための対策は?
ネズミは一度侵入すると短期間で繁殖するので早めの対策が必要です。
ネズミは体が小さいため狭い場所を通って侵入します。
家の中への侵入経路になりやすい場所は、主に配管のすき間や壁のひび割れ、屋根裏の隙間のほか、通風口やエアコンホースの破損個所などです。
そのためこれらの侵入経路を防ぐことが大切です。
もしこうした場所にすき間がある場合は、パテや金たわしなどを使用して隙間を埋めるなどしておきましょう。
また通風口などの空気の通り道は、金網を張るなどしてねずみの侵入を防ぐようにしましょう。
また、その他にもネズミの餌となる食品や、野菜や果物などの食べ残し、生ごみなどは引き寄せる原因となるため放置せず、密閉式のバケツに入れるなどしてすぐに処分しましょう。
もし侵入された場合は、素人が駆除することは難しい場合もあるので、プロの駆除業者に頼むのもアリです。
「ネズミ アレルギー 湿疹」を調べている人がよく思う質問
まとめ:健康被害が大きくならないうちに対策を!
ネズミに侵入されるとくしゃみや咳といったアレルギー症状、ダニ刺されといった皮膚トラブル、場合によっては感染症を引き起こす場合もあります。
家の中で見かけてしまったら健康被害が大きくならないうちに、ネズミの駆除や侵入防止の対策などを施しましょう。
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