お年寄りや子供がネズミに噛まれた、なんて話は時々聞きます。
普通はネズミが人を襲ったりはしないのでしょうが、窮鼠猫を噛むなどという言葉もありますし、ネズミ駆除を自分でしようとして噛まれるような不測の事態が起こることだってあるのではないでしょうか?
ネズミには糞だけでなくネズミ自体にもサルモネラ菌をはじめ多くの菌が付いています。
そんなネズミに噛まれたら病気の事が心配にならないはずがありません。
ネズミに噛まれたらどうすればいいのかその対処方法と鼠咬傷をはじめサルモネラ症、レプトスピラ症など怖い感染症についても併せてご説明していきます。
ネズミに噛まれたらどうしたらいい?
ネズミであれ、他の害獣であれ噛まれたりしてけがをしたらまずは患部をきれいにすることが大事です!!
感染症を予防するためにもしっかりと応急処置をして病院へ向かいましょう。
傷口を流水で洗い流し消毒する
出血してる状態であれば、まず出せる血は出しながら流水で洗い流し、石鹸を使用してしっかりと洗いましょう。
噛まれた場所だけでなくひっかかれたところもあればそこもしっかりと洗います。
この時、石鹸はよく泡立て皮膚をこすりすぎないように注意して洗いましょう。
優しく洗うことで傷口を清潔に保ちつつ皮膚のバリア機能を保護する事が出来ます。
洗浄後はエタノールなどで消毒します。
必要であれば止血や絆創膏で処置する
出血がなかなか止まらないようであれば、清潔なガーゼや絆創膏で傷口を保護した上で圧迫して止血を試みます。
ここまでが応急処置です。
できるだけ早く応急処置をしたら、病院へ受診するようにしましょう。
すみやかに病院で診てもらう
病院に行くと言ってもいったいどこに行ったらいいんだろう?
もしも診察時間外であれば救急外来で大丈夫です。
傷口が大きければ外科をお勧めしますが、ひっかき傷程度の小さな物でしたら皮膚科でも大丈夫です。
時間がたつと感染症の恐れがありますし、放置は絶対にしてはいけません。
病院を受診すれば、傷の処置だけでなく感染症予防の処置(処方)もしてくれます。
ネズミに噛まれたら何科を受診すればいい?
基本は外科での対応となりますが、ひっかき傷程度であれば皮膚科で問題ありません。
ネズミに噛まれましたとはっきり言えば、内科であっても対応はしてくれると思います。
ネズミに噛まれたらどうなる?
ネズミ自体はあまり大きな動物ではありませんので、噛まれても傷口はさほど大きくはありません。
傷が小さければ出血も比較的少なく大したことないと思われるかもしれません。
しかし、ネズミはその体に病原菌がいるだけでなく口の中だって病原菌を沢山持っているのです。
そしてその小さな傷から病原菌が体に侵入し感染症を発症するのです。
ほとんどの感染症は潜伏期間を経て症状が現れます。
最悪の場合、死に至る場合だってあるのです。
大したことないからと言って放置するのは絶対にやめて下さい。
ネズミに噛まれたところを放置した場合は?
ネズミに噛まれ、感染症を発症する場合、潜伏期間があります。
感染症の種類や個々の体力体調によりその期間に差はありますが1日から長くて30日とか50日とか経過してから発症するものもあり、出てくる症状もさまざまです。
比較的共通しているのは、悪寒・発熱・頭痛・下痢・倦怠感などが多くみられています。
ネズミに噛まれたらどんな病気になる?
ネズミが原因で発症する感染症にはいろいろなものがあります。
それぞれの特徴(病原菌、症状、潜伏期間)をまとめてご紹介します。
鼠咬症(そこうしょう)
病原菌:鼠咬傷スピリルム・モニリホルムレンサ桿菌
症状:悪寒・発熱・頭痛・嘔吐・筋肉痛・発疹
潜伏期間:1~10日
破傷風
病原菌:破傷風菌
症状:開口障害・顔面のひきつり・嚥下障害・全身性痙攣・呼吸器麻痺
潜伏期間:3~21日
腸チフス
病原菌:チフス菌
症状:高熱・下痢・頭痛・倦怠感・腸出血
潜伏期間:6~30日
E型肝炎
病原菌:E型肝炎ウィルス
症状:横断・発熱・食欲不振・腹痛
潜伏期間:15~50日
腎症候性出血熱
病原菌:ハンタウィルス
症状:高熱・悪寒・頭痛・嘔吐・脱力・めまい・血圧低下・乏尿・無尿
潜伏期間:4~42日
ハンタウイルス肺症候群
病原菌:ハンタウィルス
症状:発熱・悪寒・嘔気・嘔吐・下痢・筋肉痛・関節痛・背痛・胸痛・腹痛・咳・咽頭痛・頭痛
潜伏期間:1~5週間
アナフィラキシーショック
病原物質:鼠咬傷スピリルム・モニリホルムレンサ桿菌などの細菌や異物
症状:吐き気・動悸・めまい・血圧低下・意識低下・呼吸困難・全身の蕁麻疹
潜伏期間:数分~数時間
ネズミに噛まれたときに効く抗生物質は?
抗生物質とは細菌感染症を治療するために使用される薬剤です。
それぞれ異なる種類の細菌に対して効果が有りますが、ペニシリンは最も広く知られている抗生剤の一つです。
代表的なものをご紹介します。
- アモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン)ペニシリン系薬剤
- ドキシサイクリン(ペニシリンアレルギーがある時の代替薬)
ネズミに噛まれたが傷がない場合の対処法は?
まず初めに、ネズミの糞尿の掃除や死骸など片付けをする際、ゴム手袋は必須です。
決して素手で触らないようにしましょう。
ネズミに噛まれていなくても、ネズミの体にも病原菌はついています。
ひっかき傷でもあれば噛まれた時と同じように洗って傷の応急処置をする必要があります。
傷などなければ、しっかりと手洗いして、消毒をしましょう。
ネズミは噛まれなくても感染症の危険がある?
ネズミは菌の運び屋と言われる位、様々な病原菌やウィルスをまき散らしています。
糞尿にもいますが、ネズミの体にもいます、またノミやダニなどの害虫も体にいるのでその被害もあります。
ネズミ関連の掃除の際は必ず手袋、マスクをして、終わったら、しっかり手洗いをしましょう。
ネズミに噛まれなくても感染症になる可能性は高いと言えます。
ネズミを駆除する方法
ネズミ駆除には大きく4つの方法があります。
- 捕獲:捕獲器(箱タイプやバネタイプ)や粘着シートを通り道に設置する。
- 忌避剤:ネズミの嫌いな匂いのスプレーや設置タイプのものがあります。
- 殺鼠剤:毒餌を使用(死骸の処理をきちんとしないと二次被害が出ます)。
- 環境的防除:再侵入を防ぐため、侵入経路を金網やパテを使用して塞ぎます。
駆除に必要な物は薬局やホームセンター、ネットでも簡単に手に入ります。
上の物はほんの一例ですが、殺鼠剤の中でも即効性のものと時間をかけて神経系に障害がでて、明るいところへ出てきて死に至るものがあります。
校舎の方が比較的処理しやすくて使い勝手が良いように思われます。
「ネズミに噛まれたら」を調べている人がよく思う質問
まとめ:ねずみがいると分かったらすぐに駆除を!
ネズミがいるとわかったら、速やかに対処する必要があります。
噛まれたりするのも困りますが、それが無くても健康被害はありますし、悪臭や家そのものへの被害も軽視できません。
最悪火災になることだってあります。
自分でできる駆除対策も沢山ありますが、完全にとなると再侵入を防ぐのはとても難しいです。
信用のおける業者さんに依頼をするのも有効な方法だと言えます。
業者さんを決める時は複数で見積もりを出してもらって、金額だけでなく何をどこまでやってくれるのか、保証はあるのか、相談時の対応の仕方やホームページを見たり、口コミも参考にして合うところを探すと良いですね。
小さなネズミですが、侮る事なくしっかりと対策をとることがご自身と家族の健康を守り、家を守ることにつながります。
穏やかで安心して暮らせる家庭を守りましょう。
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